>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第9回「フェイクニュースパイプライン」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第8回「SNS もうひとつの用途」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第7回「そこに仕組みがあるから」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第6回「長期的武器」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第5回「情報格差が生まれるところ」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第4回「ハッシュタグ ノーモアフェイク」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第3回「ファクトチェック」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第2回「困る企業たち」
>> あらすじと主な登場人物 >> #NoMoreFake 第1回 プロローグ「切り取り報道」
「おそれいります、株式会社ブロードシステムの影山と申します。以前お使いいただいた弊社の電話料金のプランの件で、新しいプランができましたのでご案内したく連絡させていただいております。ご契約者様はいらっしゃいますでしょうか?」
麻紀子の作った時系列の表を見た橘は、目を丸くした。これだけわかれば解決は近いと誤解しそうなくらいよくできた表だとオレも思う。「とりあえず、これで犯人以外のことはだいたいわかった」
オレはいささか驚いた。どうせちんけな個人情報流出だろうと高をくくっていたが全然違う話だった。システム担当の橘の説明によると、先月からSNSでバズーカノベルティに対する誹謗中傷が急増した。
大賞受賞での講評から、今年も開催されるサイバーセキュリティ小説コンテストの対策を考えてみました。
「どうすれば落ちる」が分かっても「どうすれば受かる」が分からない。プロットに行き詰まったとき、天啓を与えてくれたのは伝説のバウンティハンターの存在でした――。
コンテストによって審査基準は異なるものの、落ちた作品、受賞した作品がどういったものか、両方の面からお伝えできるのではないかと思います。
表紙と目次だけ見て答えた社長に、オレは、犯行可能人物のページを見るように促した。
「うーん、ざっくばらんで話のわかる人ですけど、慎重っていうか変なところにケチっていうか、よくわからないけど、いい人です」
「私もそう思います。差し出がましいことを申し上げるようで恐縮ですが、吉沢は容疑者からはずしてよいのではないでしょうか?」
資料に書いていないことはまだありそうだ。オレは自分で情報を集めることにした。
売上のごまかしは長期間にわたっているようだから、隠した売上は億を超えるだろう。それがどこにあるのかは気になる。
オレと目を合わせず、落ち着きなく周囲を見回し、貧乏揺すりを始める。絵に描いたような不審者って感じだ。