「それでは、まず無知な被害者の工藤さんのために、主にネットワーク上の情報にフォーカスして簡単に日本が置かれている状況をご説明します」
「いいからとっとと大事なことを話そう」
夏神は机の上に置いた資料を手に取ってばさばさと振ってみせる。オレは仕方なくうなずく。
「あのー、ピザとか頼んでもよろしいでしょうか？ お腹が空いちゃって……すみません」
横の冬野が口調はおずおずと内容は図々しいことを言い出した。確かにそろそろ晩飯の時間でオレも腹が減ってきたが、不法侵入してきたヤツが言うことじゃないし、その金はここの家主のオレが出すことになるんだろう。
「賛成。工藤さん、出前ピザ頼もう」
夏神が手をあげた。
「お前ら、勝手すぎると思わないか？」
サイレントクーデター 超限政変：工藤伸治のセキュリティ事件簿 外伝 プロローグ
サイレントクーデター 超限政変 第2回「自称サイバー革命家」
サイレントクーデター 超限政変 第3回「日本人ハッカーが行方不明」
サイレントクーデター 超限政変 第4回「Ｂ級ハッカー狩り」
