サイレントクーデター 超限政変:工藤伸治のセキュリティ事件簿 外伝 プロローグ | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

サイレントクーデター 超限政変:工藤伸治のセキュリティ事件簿 外伝 プロローグ

「父親と母親のどっちを自分の手で殺したい? 両方でもいいけど、最初はきついと思う」

特集 フィクション

 “日本という国は弱者から搾取することで成り立っている。管理とは弱者から効率的に搾取することだ。そのためにはまず弱者を作らなければならない。誰だって弱者にはなりたくないが、たいていの者は生まれた時から弱者で死ぬまで弱者のままだ。そして代々続く。貧乏人は貧乏人のまま、親も子供も孫もずっと貧乏のまま。その弱者の社会でさらに序列を決める争いが起きる。醜く益のない戦いだ。この国はずっとネバーエンディング絶望ランドだった。だが、希望がない訳じゃない。絶望から独立せよ!”

 夏神全壊(かがみ ぜんかい)著『絶望からの独立 モバイル国家宣言』序章より


 まだ肌寒い三月の渋谷をひとりの女がとぼとぼと歩いていた。冬野亘望(ふゆの わたみ)は誰も待っていないホテルの部屋に戻る途中だ。重い病に冒されているように歩みがのろい。ぽっちゃりした体型だが、表情は暗く顔色も悪い。


《一田 和樹》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×