サイレントクーデター 超限政変 第17回「スーパーバイザー業務」 | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

サイレントクーデター 超限政変 第17回「スーパーバイザー業務」

いずればれるだろうとは思っていたが、予想以上に早い。やはり監視されている。オレは無視して歩き出す。

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 お許しが出たのでオレは契約書の封筒に手を伸ばした。雇用契約ではなく、業務委託契約になっていたのは予想外だった。こちらの契約主体もハイテックサポートだ。

「ハイテックサポート社から報酬が支払われます。実際の仕事では私以外の者が担当になりますので、その指示に従って業務をこなしていただくことになります。開始前に英語のテストを受けていただき、その結果によっては英語を学んでいただくこともあります」

 英語と聞いて国際的な陰謀の可能性が頭をかすめる。

「なんだそれ?」

「海外とのやりとりもありますし、資料が英文のものが以外と多いんです」

「海外? 担当がアメリカ人ってこともあるのか?」

「たまにそういうこともありますが、その場合でも向こうが日本語を使ってくれます」

「よくわからないんだけど、もしかして日本以外でも仕事をすることがあるのか?」

「工藤さんが仕事をする場所は原則として日本国内です。ただし、仕事先は海外ということもありえます。ネットを使ってアクセスすれば国内も国外も関係ありません」

 アクセスに関してはその通りだが、適用される法律や制度は違ってくるはずだ。ルパン三世じゃあるまいし、インターポールに国際指名手配されたくないし、FBIやCIAも願い下げだ。

「いや、でもアメリカで違法なことしたらヤバイだろ」


《一田 和樹》

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