>>第一回から読む
そろそろ作業が終わろうとする頃、なにやら気配を感じてオレは振り返った。
和田が立っていた。目があった。
「私の番はまだですか?」
和田は黒のセルフレームの眼鏡ごしにオレをじっと見ている。こいつ、なにを言ってるんだ?
「なに?」
オレは訊き返した。
「さっき、遠山さんとお話ししてたでしょ? だから、次は私の番かなあ?」
わからねえ、なに言ってんだ、こいつ。
「すみませーん」
遠山がやってきた。和田が不思議そうな目で遠山を見る。
「この子、ちょっと不思議ちゃんなんですよ。ごめんなさい。普通にしてる時は、普通なんですけどね。なんか、勘違いするとおかしなことを言い出すんです」
不思議ちゃんってそろそろ年齢制限いっぱいじゃねえの? とオレは言いそうになったが、止めておいた。和田は、遠山とオレの顔を交互に見ると、突然、ひとりでうなずきだした。
そろそろ作業が終わろうとする頃、なにやら気配を感じてオレは振り返った。
和田が立っていた。目があった。
「私の番はまだですか?」
和田は黒のセルフレームの眼鏡ごしにオレをじっと見ている。こいつ、なにを言ってるんだ?
「なに?」
オレは訊き返した。
「さっき、遠山さんとお話ししてたでしょ? だから、次は私の番かなあ?」
わからねえ、なに言ってんだ、こいつ。
「すみませーん」
遠山がやってきた。和田が不思議そうな目で遠山を見る。
「この子、ちょっと不思議ちゃんなんですよ。ごめんなさい。普通にしてる時は、普通なんですけどね。なんか、勘違いするとおかしなことを言い出すんです」
不思議ちゃんってそろそろ年齢制限いっぱいじゃねえの? とオレは言いそうになったが、止めておいた。和田は、遠山とオレの顔を交互に見ると、突然、ひとりでうなずきだした。