トレンドマイクロ株式会社は11月10日、同社のクラウドアプリケーション向けセキュリティサービス「Trend Micro Cloud App Security(CAS)」を国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が導入したと発表した。同研究所では、2015年夏頃から、全国に勤務する約9,000人のユーザに既存の対策をすり抜けて届く不審なメールが急増した。同研究所には1日に数十万通のメールが届いており、担当部門では1日に100通を超える攻撃メールに対応することもあり、大きな負荷になっていたという。そこで、同研究所はメールシステムのクラウドサービス Office 365 と連携して稼働する新たなセキュリティソリューションの導入を検討した。検討にあたっては、未知の不正プログラムに対応可能なサンドボックスの実装を必須とした。その要件を満たすソリューションの入札を実施した結果、CASが選ばれた。CASはクラウド上にサンドボックスを実装しており、未知の脅威も検知すること。また、API経由でOffice 365 と連携しているため、導入時のプロセスに負荷が少ないことなどが決め手になった。産総研では現在、CASでOffice 365 のExchange Online へのメール対策のほか、SharePoint Online とOneDrive for Business 上で取り扱われるファイルに対しても、不正プログラム対策、サンドボックスによる解析、不正サイトへのアクセス防止などのセキュリティ対策を実施している。また、ユーザに攻撃メールが届くケースが激減し、担当部門の作業負担も低減、業務の効率化にも効果があったという。