Web上でサービスを提供していない企業でも、自社のWebサイトや自社ドメインを持つことが一般的になった。この際、レンタルサーバを利用するケースがほとんどである。しかし、一時期より減少したものの、いまだにずさんな管理を行っているサーバ事業者も存在する。 本データベースによると、サーバに使用されているOSはUNIX系が最も多く、全体の62%を占める。2番目に多いWindows NT/2000/XP系がわずか9%なので、UNIXがいかに多く導入されているかがわかる。UNIXは危険性が少ないといわれるが、これはOSとしての堅牢性と運用の信頼性によるもので、必ずしもインターネットからの脅威に対して堅牢であるという意味ではない。 UNIXに限らないことだが、サーバOSの堅牢性は管理状況によって実現する。具体的にはOSのさまざまな機能に対し、毎日のように発見されるセキュリティホールの対策管理がしっかりなされているかどうかだ。例えば、今回、調査を行ったWebサーバは全体で202,948件あり、そのうちUNIX系のApacheを使用していると特定できたサーバは158,583件と78%以上の比率を占める。しかし、Apacheを最新のバージョン(調査時点では1.3.27)にアップデートしていたサーバは37,397件と、Apache採用サーバ全体のわずか23%であった。WebサーバOS全体での比率は約2割という数字だ。 本データベースではサーバ事業者とドメイン、IPアドレスといった情報から、サーバが導入しているOSなどのバージョンまで網羅されているため、利用しているサーバの管理状況を把握できる。絶えずOSや付随機能の最新情報を確認し、サーバを最新の状態に保ってこそ十分な堅牢性があるといえる。バージョンアップもなされていないようであれば信頼できる管理状態とはいえない。サービスの乗り換えを検討する必要があるだろう。(執筆:吉澤亨史)◇co.jpドメイン サーバ実態データベース 2003年上半期http://shop.vagabond.co.jp/p-cod02.shtml