NTTデータ・セキュリティ株式会社は12月16日、Adobe Reader及びAcrobatのDoc.media.newPlayerメソッドに発見された脆弱性に関する検証レポートを公開した。 同メソッドは、Adobe Reader及びAcrobatのJavaScriptで利用されるメソッドで、これに解放したメモリ領域を参照する脆弱性(Use After Free)が存在することが確認されている。攻撃者は、この脆弱性を利用して、任意のコードを実行させることが可能。これにより、Webサイト閲覧、HTML形式の電子メールの表示、または電子メールの添付ファイルなどから細工されたPDFファイルを閲覧した際に、そのローカルユーザと同じ権限が奪取される恐れがある。 影響を受けるのは、OSに関係なく、すべてのAdobe Reader及びAcrobatの9.2以下のバージョン。修正プログラムは2010年1月12日にリリースされる予定。回避策としては、Adobe Reader、Acrobat上でのJavaScriptの無効化、ブラウザ上でのPDFファイルの表示無効化などが考えられる。 検証では、Adobe Reader 9.0.0がインストールされたWindows XPをターゲットシステムとして用意。細工したPDFファイルを表示することで任意のコードを実行させ、システムの制御を奪取可能かをテストした。その結果、リモートからのシステム操作が実際に可能なことが確認されている。 http://www.nttdata-sec.co.jp/article/vulner/pdf/report20091216.pdf