【マンスリーレポート 2003/01】Slammerの影響が大きかった1月、世界規模ではAvrilの亜種が蔓延 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.11.18(土)

【マンスリーレポート 2003/01】Slammerの影響が大きかった1月、世界規模ではAvrilの亜種が蔓延

製品・サービス・業界動向 業界動向

■ウイルス月次レポート

ランキング  ウイルス名   届出・被害件数

 一位    WORM_Klez      2,158件
 二位    REDLOF.A       546件
 三位    WORM_Bugbear    442件
 四位    WORM_Opaserv    287件
 五位    Laroux          88件



Trend Micro    Symantec      IPA     日本 Network    ソフォス
                                 Associates

WORM_Klez    WORM_Klez   WORM_Klez   WORM_Klez    W32/Avril
703件         564件       525件       422件       29.2%

WORM_Opaserv  REDLOF.A   WORM_Bugbear JS/NoClose   WORM_Klez
287件         124件       105件        119件       12.1%

REDLOF.A    WORM_Hybris   REDLOF.A    REDLOF.A    W32/Yaha
259件         75件        74件        99件        9.0%

WORM_Bugbear  IRC Trojan    W32/Sobig     Laroux     W32/Sobig
228件         80件        68件        88件        6.1%

JS_EXCEPTION  WORM_Bugbear BADTRANS.B  JS/Seeker  WORM_Bugbear
80件          59件        38件        69件        5.6%



>> 被害件数はやや増加。それよりもSlammerの影響が大きかった1月

 ウイルス情報系の各社が、2003年1月度のウイルス届出・被害状況を発表した。表は各社の結果をまとめたものである。トレンドマイクロ、シマンテックは「被害件数」、IPAは「届出件数」、日本ネットワーク・アソシエイツのウイルスランキングは「届出」および「感染」の報告件数である。ソフォスの数値は全世界のもので、順位は被害件数ではなく全体に占める割合となっている。また、複数の亜種が存在する場合でも、ウイルスの名称ごとに件数や割合を合計している。
 1月度の届出、被害状況は、ここ数ヶ月と同様にKlez、Redlof、Bugbear、Opaservが上位を占めた。ただし、全体の被害件数は先月よりもわずかではあるが増加している。また、1月25日に被害が一気に拡大したSlammerによって世界的な規模でネットワークが混乱した。

 SlammerはSapphireの別名を持ち、マイクロソフトのSQL Server 2000およびMSDE(Microsoft Desktop Engine)2000を搭載するサーバをターゲットとしたワームである。そのため個人ユーザが感染する可能性は低い。しかし、Slammerに感染したサーバはランダムに選んだIPアドレスにSlammer自身をひたすら送信し続ける。この際送信されるデータはわずか376バイトであった。そして最初の10分間で全感染サーバの約90%に拡散した。376バイトのデータとはいえ、次々に感染したサーバがそれぞれSlammerを送信するため、ネットワークのトラフィックが急激に増大し、結果としてサーバがダウンしたりネットワークが極端に遅くなった。ある大学のコンピュータでは、1時間に20万件もの送信が行われたという。
 Slammerによる被害は、特に韓国で深刻なものとなり、大手ISPであるKT社のDNSシステムに影響し、インターネットサービス全体を停止させた。また、地域によってはダイヤルトーンが聞こえなくなったり、飛行機が飛べなくなったり、ATMが使用できなくなるといった、一般の生活にも影響を与えた。

 SlammerはマイクロソフトのSQL Server 2000およびMSDE(Microsoft Desktop Engine)2000の脆弱性を悪用したワームだが、マイクロソフトでは昨年の7月にこの問題を公開、対策パッチも提供されている。このパッチを当てていれば、Slammerによる攻撃は回避できたのである。しかし、サーバでのパッチ作業は簡単ではなく、それはSlammerによってマイクロソフト内のサーバが感染していたことでもわかる。たとえ個人レベルでウイルス対策を行っていても、サーバが感染しインターネット自体が混乱したり使えなくなる可能性があることを認識したい。

 ランキングでは「NoClose」、「Sobig」が上位に登場している。NoCloseは、いわゆる迷惑プログラムでファイルを作成したりシステムを改変するようなことはない。しかし、Javaスクリプトを利用して大量のホームページを開くといった動作を行い、開いたページは容易に閉じることができない。表示されるページはポルノサイトなどの広告サイトで、バナーをクリックすると手数料を申請される可能性がある。Sobigは大量メール送信を行うワームで、メールの添付ファイルとして拡散する。添付ファイルを開くと感染し、ネットワークで共有されているディレクトリにも自己のコピーを作成しようとする。従来のマスメーリングウイルスと違って、Outlookのアドレス帳だけでなく「.TXT」「.EML」「.HTML」「.HTM」「.DBX」「.WAB」といったファイルからメールアドレスを検索するため、より多く拡散する可能性がある。


【執筆:吉澤亨史】

(詳しくはScan Daily Expressをご覧ください)
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