米財務省の金融犯罪取締ネットワーク (FinCEN)が10月22日に発表した報告書によると、米国の金融機関でID 盗難およびコンピュータへの不正侵入件数が増加の一途を辿っている。今年(2001年)1月から4月までにFinCEN に報告されたID 盗難件数は332件で、前年同期比50%増となっている。昨年(2000年)1年間のID 盗難件数は637件、1999年は267件だった。 さらに、236の金融機関が43州とワシントンD.C.で発生したID 盗難をFinCEN に通報しており、なかでもカリフォルニア州とノースカロライナ州からの届け出件数が全体のほぼ3分の1を占めた。FinCEN が最初にID 盗難に関する報告書を発表したのは1996年で、その年の4月1日から12月31日までの届け出件数は、僅か21件だった。 コンピュータへの不正侵入やその他のクラッキング行為に関しては、2000年6月から2001年6までの1年間に147件の届け出があった。そのうちの3分の1がニューヨーク州、カリフォルニア州、イリノイ州からの報告だった。それら事件の多くは不正侵入幇助に銀行員が関与していた。またウイルスを使ったクラッキング事件が2件報告された。