米司法省は9月21日、宇宙ステーションをサポートするコンピュータ・システムに不正侵入した罪で16歳の少年(フロリダ州在住)に6ヶ月の禁固刑を言い渡した。インターネット上で“cOmrade”と呼ばれていた同容疑者は、ペンタゴンのコンピュータ・システムに侵入し3300件に上る電子メールの送受信の監視およびパスワードの窃取についても容疑を認めている。同容疑者はフロリダ州の非行青少年短期収容所で刑に服する予定だ。 Janet Reno司法長官は「強盗であろうとコンピュータ侵入であろうと、他人が所有している場所に押し入ることは重大な犯罪だ」と述べた。また、アトランタのコンピュータ・セキュリティ会社Internet Security Systems社でコンピュータ攻撃の監視を行っているChris Rouland氏は、未成年者がコンピュータに不正侵入することは珍しいことではないが、今回のように実刑判決を受けたケースは稀であるとし「未成年者が何の恐れもなくコンピュータ・システム周辺をうろついている。今回のケースは、そのようなセキュリティを取り巻く状況を端的に顕わすものだ」と指摘した。 同容疑者は有罪答弁取引で、1999年7月のマーシャル宇宙飛行センターの13のコンピュータに不正侵入した件、そして宇宙ステーションの環境システムをサポートするNASAのソフトウェアをダウンロードした件などいくつかの余罪を自供した。同容疑者の不正侵入でNASAが被った損失額は、システムのチェックおよび復旧費用の約4万2000ドルと推計される。