戦争・紛争でも人道的な視点から禁止される兵器や捕虜の扱いについてルール・条約が存在するように、サイバー空間でもなんらかの歯止めが必要だ。そのルールや規範(Norm)づくりが、国連、各国政府、民間団体で議論されている。
>> 本稿の前編にあたる「スパイ代行業者に狙われた権力監視機関シチズンラボ」はこちら
カナダのトロント大学にあるシチズンラボは、これまで国家が国民に対して行うネット上の検閲や監視活動を多数暴いており、政府向けに監視用のスパイウェアを開発、提供してきたサイバー軍需企業の活動も明らかにしてきた。
アメリカは世界有数のサイバー攻撃に弱い国家だ。
同書は、日本ではまだ充分な理解がされていないフェイクニュースを、国家の新しい軍事力行使形態「ハイブリッド戦」をキーワードにして、後半に調査分析し深く読み解いています。
2016 年アメリカ大統領選におけるロシアの介入が民主主義にもたらした影響はニューヨークのテロ攻撃に匹敵するものであるかもしれない、と示唆した。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏に、グローバルのインテリジェンス動向に詳しい専門家の視点から、作家 一田和樹氏の小説「原発サイバートラップ: リアンクール・ランデブー」の書評を依頼しました。
BLUEは、日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE 2018」(10月29日~11月2日:ベルサール新宿グランド)の全42の講演が決定したと発表した。
王立国際問題研究所(チャタムハウス)でサイバースペースの国際法について語った際、勅選弁護士で国会議員でもあるジェレミー・ライト氏は以下のように述べた。
図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れである。
以来、Stravaを使って軍の施設を探し出すことがSNS上で流行るようになった。
「従来の武力衝突に関して言えば、国際連合安全保障理事会やジュネーヴ条約があり、非常に形式的な体制が整っています」と大臣は述べた。「現在のところサイバー空間は、法律や基準に関しては依然として相当に野放しの状態です。これは私たちが対処すべき問題です」
1999年3月にMike Hayden (元CIA長官) がNSA長官となった頃からアメリカのサイバー空間重視は本格的になった。それに続くKeith Alexander長官により確立され、アメリカサイバー軍も設立された。
USCYBERCOM (アメリカサイバー軍) 以前のアメリカでは、ほとんどの政治家と官僚に正しい認識がなかったと言っていいだろう。従って USCYBERCOM 以前は、ごく少数の人々による苦闘の歴史だ。
優秀なハッカーやセキュリティの専門家を軍に呼び込むのは容易ではない。ハッキング大会では、民間のハッカーチームが軍の専従チームに圧勝するのが常だ。
ウェブルートは、米Webroot社のエグゼクティブによる2017年以降に予想されるセキュリティ関連の脅威をまとめ、発表した。
高麗大学校サイバー国防学科の教授を務め、セキュリティ国際会議「SECUINSIDE」の創設者でもあるシーンジュー・ガブリエル・キム氏は「韓国のサイバーセキュリティ人材資源への投資」と題し、韓国におけるサイバーセキュリティ人材育成の多面的な取り組みを紹介した。
もうひとつ書いておかなければならないことがある。書評からは離れるが、本書にはひとつ致命的な問題がある。
Wallach は、現在も FBI が才能のある人材を補充するのに苦労していると指摘した。FBI の 56 の現地オフィスのうち 5 つには、1 人のコンピュータ科学者すらも割り当てられていない。
Wallach によれば、現在 FBI の Seattle Field Office でサイバータスクフォースの指導にあたっている人物が、「2013 年から 2014 年の間で、違反行為は 55 %増加した」と報告しているという。
近い将来、サイバー軍需企業の手を借りなければならないイベントがある。五年後に控えているオリンピックである。過去の例を見るまでもなく、オリンピックを挟んでサイバー攻撃が激化することは明かだ。オリンピックは、サイバーテロの恰好の標的なのだ。