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2018.09.25(火)

サイバー戦争の犬たち - Dogs of Cyberwar 第三部 サイバー軍需企業はサイバー空間を火の海に変える 第5回「日本にとってのターニングポイント」

近い将来、サイバー軍需企業の手を借りなければならないイベントがある。五年後に控えているオリンピックである。過去の例を見るまでもなく、オリンピックを挟んでサイバー攻撃が激化することは明かだ。オリンピックは、サイバーテロの恰好の標的なのだ。

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今からおよそ50年前、アメリカ大統領のアイゼンハワーは、軍産複合体(Military - Industrial Complex)が影響力を増し、制御できない状態になりつつあることを警告した。そして今アメリカで、軍ネット複合体(Military - Internet Complex = うまい訳語はまだない模様)が影響力を増しつつある。軍産複合体がそうであったように、政府の莫大な予算を獲得し、ひたすら拡大を目指すグループが誕生しつつあるのだ。

●「軍産複合体」から「軍ネット複合体」へ

現在の軍産複合体との違いはいくつかある。その中でも大きなものを挙げると下記になる。

・サイバー軍需企業は、政府のみならず、警察、IT 産業、金融産業、医療産業などを顧客として開拓しつつある。世界でサイバー軍需企業のために予算をつぎ込む国は無限にあるわけではない。もし民間企業がサイバー武装化すれば、サイバー軍需産業のマーケットは飛躍的に拡大する。同時に戦場は拡大する。

・政府と同等あるいはそれ以上の戦闘能力と装備を有した民間企業が続々と誕生している。アメリカ軍は、すでに既存の軍事企業なしには作戦を遂行できないくらいに依存していたが、サイバー軍事企業はそれ以上の戦闘能力を保有している。

・戦闘経験のない者が、一線で作戦立案、指示、実行を行っている。リアルの戦闘では考えられないことだが、サイバー戦においては一定の技術力があれば実戦に投入できる。ロッキード社のサイバーキルチェーンを提唱したのは当時ロッキード社の 34 歳のアナリスト Eric Hutchins だった。彼は政府や軍の仕事をしたことはなく、それどころかロッキード社以外に勤務したこともなかった。戦闘や軍について知識や経験のない若者が世界中で引き合いに出される概念を考え出せる。

・新興サイバー軍需企業は証券市場においても注目される存在であり、金融市場を通じて潤沢な資金を調達することができる。またそのために市場に評価される活動をする必要がある。

中でも気になるのは、次の顧客である。どこまで戦渦は広がるのだろう?

《一田 和樹》

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