サイバー戦争の犬たち - Dogs of Cyberwar 第一部サイバー戦争とはなにか 第1回「開戦のない戦争」 | ScanNetSecurity
2024.04.19(金)

サイバー戦争の犬たち - Dogs of Cyberwar 第一部サイバー戦争とはなにか 第1回「開戦のない戦争」

従来なら自国領土が攻撃を受ければ、それはほとんど宣戦布告であり、先制攻撃とみなされた。サイバー攻撃は「見えない攻撃」であり、「領土という概念のない空間」から発生しているため、誰がどうやって攻撃し、どんな被害が発生したのかを特定できないケースも少なくない。

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サイバー軍需企業=サイバー戦争の犬たちについて、計5回の集中連載を開始するに当たり、最初に申し上げておきたいことがある。

「戦争」と聞くと、「自分には関係ない」と考えてしまう方も多いだろう。しかし、サイバー戦争においては、民間企業が経済的被害を受ける攻撃は少なくない。

アメリカの Sony Pictures Entertainment 社がサイバー攻撃を受けた事件に対して、アメリカ政府は北朝鮮の仕業と断定、報復措置を高じた。サイバー戦争が始まったとする報道も散見される。

従来のリアル世界なら自国領土が他国政府から攻撃を受ければ、それはほとんど宣戦布告のようなものであり、先制攻撃とみなされただろう。サイバー攻撃は、「見えない攻撃」であり、「領土という概念のない空間」から発生しているために、誰がどうやって攻撃し、どんな被害が発生したのかを特定できないケースも少なくない。

●民間企業の身近に存在するサイバー戦争とサイバー戦争の犬たち

そのため既存の戦争の概念に囚われているとわかりにくい。とはいえ国家同士が互いにサイバー攻撃を仕掛けている現在の状況は、サイバー戦争と呼んでも差し支えないだろう。後述のように、わざわざ宣戦布告してサイバー攻撃を始めるような国はないのだ。サイバー攻撃が、「見えない攻撃」であるのと同じで、サイバー戦争は「見えない戦争」なのだ。

《一田 和樹》

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