しかし、このReturn-into-libc攻撃は、APIのエントリアドレスを直接指定する必要があったため、攻撃安定性に少々難がありました。また、Windows Vista以降に搭載されたASLR(Address Space Layout Randomization)を組み合わせる事により、攻撃安定度を大きく低下させる事が可能となりました。しかし、ASLRを利用するためにはソフトウェアベンダが、ASLRが有効になるように製品をビルド・出荷する必要があり、マイクロソフト社を除く多くのサードパーティベンダの製品では、ASLRが有効に利用されていないのが現状です。そのため、こうしたASLRの対象外となっているサードパーティ製品のDLLを利用することで、安定的に攻撃を成功させることが可能です。