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2017.12.17(日)

セキュリティ機関研究:IBM ISS 第1回 歴史

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 世界的な情報セキュリティの研究機関として有名なInternet Security Systems(ISS)。2006年にIBMに買収されたことも記憶に新しい。現在IBMの一部門として世界各所で情報収集分析を行うSecurity Operation Center(SOC)、情報の分析の他機器へのフィードバックを行う研究機関であるX-Forceなど、その体制や定期刊行物、収益体制について、日本アイ・ビー・エム株式会社のISS事業部 テクニカル・サポート部部長である小倉秀敏氏、ISS事業部 営業推進部部長である遠藤直之氏、GTS ITSデリバリー セキュリティー・ソリューション マネージド セキュリティ サービスのチーフ セキュリティ エンジニアである井上博文氏に話を聞いた。


●脆弱性スキャナとIDSで成長したISS

─まずはISSの歴史について教えて下さい

小倉氏:Internet Security Systems(ISS)は、1991年に米国アトランタで設立されました。設立したのは、政府系のネットワークを対象にペネトレーションテストの仕事をしていたクリストファー・クラウス(クリス)氏で、当時はまだ学生でした。ペネトレーションテストは、対象のネットワークに入り込んで脆弱性がないかを診断するものですが、当時は手動で実施していました。

 クリス氏は、この作業をツール化し「Internet Security Scanner」というフリーツールとしてインターネット上で公開しました。奇しくも同じ「ISS」という名称ですね。このツールが非常に好評だったため、クリス氏はビジネスになると考え、学校を退学して「Internet Security Systems(ISS)」を設立しました。設立の際には、当時ネット上で知り合い会社経営などさまざまな相談をしていたトム・ヌーナン(トム)氏をコンサルティング会社から引き抜いています。

 ISSでは、Internet Security Scannerをベースに開発した「Internet Scanner」を販売する一方で、あまりに多くの脆弱性が発見されることから、その対策製品として「RealSecure」を開発、販売しました。これはIDS機能を持ったソフトウェア製品で、攻撃の中身を検知してアラートを出すというものでした。また当時、社内ではファイアウォール製品(FW)も提供しようという話もあり、開発を進めていました。

 しかし、「Internet Scanner」はFWを越えて脆弱性を診断する製品、FWはそれを防御する製品です。ひとつのベンダが相反するような製品を提供するのは、ベンダとして倫理的にどうかといった議論もあり、結局FWの開発は中止になったそうです。基本的にISSは、「Internet Scanner」と「RealSecure」の2製品の提供で大きくなってきた会社といえるでしょう。

─ISSの日本での歴史を教えて下さい

 日本では、インターネット・セキュリティ・システムズ株式会社が日本法人として1997年に設立されました。日本法人は5名ほどでのスタートでした。

 その後米国本社ではいくつかの会社を買収しています。まずは、データベースのセキュリティスキャンツール「Database Scanner」を提供していたDB Secure社、ホストにインストールして脆弱性を調べる「System Scanner」を提供していた英国のMarch社を買収しました。これによって1999年には、「RealSecure」に加え3種類のスキャナが揃ったことになります。なお、データベースに対するスキャナという考え方は、当時はまだ一般的でなく、最終的には提供を中止しました。またSystem Scannerは、関係技術者が独立して英国に設立したAsuria社が扱っています。

 2000年にはPC向けの保護製品である「BlackICE」を提供していたNetwork ICE社を買収しました。2002年には「BlackICE」の根幹技術と「RealSecure」のIDS機能を統合させたアプライアンス製品「Proventia」を提供し、2003年にはIPSのアプライアンス製品「Proventia IPS」、2004年にはUTM製品を提供しています。UTM製品を出したときには、某セキュリティベンダから「Me Too(同様の製品を持っていることをアピールするための)製品」と揶揄されましたが、UTM製品に至るロードマップは2001年から、その某社より早く決まっていたのです。

─IBMでの位置付けやセキュリティに対する考え方はいかがでしょうか?

 IBMでは「IBM Managed Security Services(IBM MSS)」というセキュリティデバイスの監視・運用・管理サービスを提供しており、その監視センターとしてSecurity Operation Center(SOC)が機能しています。その関係はISS時代から変わっていません。日本のSOCは2001年に稼働を開始し、2002年に現在のオフィスに移されました。

 SOCによるビジネスは、1998年頃からプランが始まりました。当時の社長であった林 界宏(リン)氏が、お客様の環境を常に監視して守るというビジネスモデルを模索し始めたのです。それがMSSとなり、2001年のSOCの稼働に合わせてサービスの提供を開始しました。MSSおよびSOCは順調に展開し、2006年夏にIBMによるISSの買収発表を迎えました。

 IBMによる買収は2007年に完了しました…(第2回へつづく)

【執筆:吉澤亨史】

【関連リンク】
IBM - セキュリティー&プライバシー・サービス
http://www.ibm.com/services/jp/index.wss/itservice/igs/a1010214
X-Force セキュリティー・アラート&アドバイザリー
http://www.ibm.com/services/jp/index.wss/offerfamily/its/b1332685
SOC Report, Tokyo SOC Report
http://www.ibm.com/services/jp/index.wss/itservice_library/igs/a1010214
IBM ISS セキュリティー情報メール - Japan
http://www.ibm.com/services/jp/info/xpumail/index.html
IBM Internet Security Systems
http://www.ibm.com/services/us/index.wss/itservice/iss/a1030786
《ScanNetSecurity》

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