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2017.02.28(火)

調査結果、原発事故や放射能への不安は文系・低所得層ほど拡大(慶應義塾大学)

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 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターは2月15日、「東日本大震災に関する特別調査」の概況(第1回)〜震災で日本人の心理や行動はどう変わったか〜を取りまとめて公開した。

 同調査は、同大学大学院経済学研究科・商学研究科/京都大学経済研究所連携グローバルCOEプログラム「市場の高質化と市場インフラの総合的設計」の事業の一環として、昨年6月に第1回調査、10月に第2回調査を実施したもの。調査対象世帯は、同センターが実施している既存の家計パネル調査の回答世帯で、全国の4,150世帯から回答を得た。

 震災前後の所得減少は低所得者や非正規雇用者、自営業主、20代・50代で顕著となった。また、ストレスの増加は低所得者や非正規雇用者、無業者、20代で多かった。一方で、生活満足度や幸福度については、そうした人々のほうがむしろ増加させており、その中では高所得者の伸びは小さかった。

 この結果について同センターは、今後の研究課題として注目できるとしている。たとえば、行動経済学や心理学の分野では、自分と同じ境遇の他者と比較をして幸福度・満足度を判断すると言われており、震災の影響は低所得者層や非正規で大きいが、「他人よりも自分のほうが相対的には悪くない」と思うことで生活満足度は高まったと解釈もできるとしている。

 「原発事故全般に対する恐怖・不安」と「食料や水の放射能物質による汚染に対する恐怖・不安」を感じる度合いを100点満点で回答してもらった質問では、原発事故全般に対する不安感は、震災直後に比べ6月時点に増大している(原発不安:69→77点、放射能汚染不安:61→71点)。また、恐怖・不安感は、文系、低所得層、非正規雇用者、無業者、未就学児がいる人、東北3県(福島・宮城・岩手県)の居住者ほど高い結果となった。

 さらに、恐怖・不安感の強い人ほど、睡眠時間が減っていたり、飲料・食料などの買い溜めをしていたり、友人・知人との繋がりを求めたりする行動が顕著にみられる。

 震災後の価値観と生活時間配分の変化をみてみると、東日本大震災後に「仕事よりも家族・友人・知人を大事にする」という価値観が強くなった人の割合は、既婚で関東・東北地方に居住する男性が39.3%、女性が33.9%、関東・東北地方以外の男性が28.0%、女性が30.1%となっており、関東・東北地方で震災後に顕著に価値観を変えたことが伺える。また、これらの人は震災後に家事・育児時間を増加させ、労働時間を減少させた傾向がみられる。家事・育児時間の増加は女性の方が顕著で、労働時間の減少は男性が顕著になっている。

 震災が人々の健康感(「よい」から「よくない」まで5段階で選択)に与えた影響をみてみると、5~6月の健康感が1月時点よりも悪化した人の割合は、全体の33%となっている。東北3県で顕著では、全体の43.8%の人の健康感が悪化している。このほか関東地方も34.8%の人が健康感を悪化させている。

 さらに、ストレスについても震災前後を比較してみると、「将来に不安」と感じる人が多くの地域で増えているほか、東北3県では「寝つきが悪い」という症状を持つ人の割合が大幅に増加している。東北3県ではストレス症状についても他地域よりも悪化している。

震災後の生活満足度、低所得者・非正規雇用者の方が増加傾向

《前田 有香@リセマム》

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