「プライバシーマークとは?」■第1回■ | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

「プライバシーマークとは?」■第1回■

子供が中学や高校に進学する春休みになると学習塾や通信教育の会社からセールスの電話がかかりDMが届く。『何でウチの子供が進学するのを知っているのだ?』と不思議に思うが、これは個人情報が収集され活用されているからだ。一般消費者を顧客とする事業者にとり個人情

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子供が中学や高校に進学する春休みになると学習塾や通信教育の会社からセールスの電話がかかりDMが届く。『何でウチの子供が進学するのを知っているのだ?』と不思議に思うが、これは個人情報が収集され活用されているからだ。一般消費者を顧客とする事業者にとり個人情報はマーケティングの基本であり、利益を上げる源泉でもある。

少し前は紙の台帳で個人情報を管理しており、持ち出すにも1枚ずつコピーするなど多大な人的労力が必要だった。ところがコンピュータの発展とともに個人情報を容易に扱えるようになり、また簡単に持ち出すことができるようになった。中には個人情報を持ち出し町の名簿屋に小遣い稼ぎのため販売する不心得な社員が出現する。また中小企業で多いのが社長と喧嘩し、退職する腹いせに会社を困らせてやろうと考える元社員である。

会社の業務においても人件費の削減から外部へアウトソーシングすることがよく行われようになった。知らない間に委託先から再委託され、目の行き届かないところから個人情報が漏れることもよくある。盗難や置忘れなど不注意から大量の個人情報漏洩事件が多発するようにもなってきた。もう一つの問題としてネット上に一度漏洩してしまうと、デジタル情報のため、すぐコピーされ色々なところに個人情報が分散してしまいネットから消すことができず社会問題化している。

●個人情報保護法の施行

一般消費者のプライバシー意識向上を背景に、『個人情報を扱う事業者は個人情報を適切に扱いなさい』と出来たのが2005年4月に施行された個人情報保護法である。これからは個人情報を収集する場合、利用目的を通知して収集しなければならない。過去に収集した個人情報は利用目的を通知しておらず、そのまま使い続ける場合は利用目的を『本人の知りうる状態』に置くことが必要である。具体的にはホームページのプライバシーポリシーなどで公表する。もちろん専門用語などを使わず一般消費者が理解できるように具体的な記述をしなければならない。

個人情報保護法の対象事業者は保有する個人情報データが過去6ケ月間に一度でも5000件を越えたことがある事業者である。ほとんどの企業が対象になる。そこで注目を集めているのがプライバシーマークである。ところでこのプライバシーマークというのは一体何だろう?

●プライバシーマークは格付け?

個人情報を適切に扱うには、事業者は個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を定め、社内教育を行い、社内規定の見直しなどを行う。ただし、事業者が本当に行動しているかどうか外部からは分からない。

プライバシーマークは個人情報の取扱いを適切に行っているかどうか第三者である財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)または指定機関が審査し、審査に通れば『プライバシーマーク』を付与する制度で1998年4月1日から始まった。法律で規定されたものではなく単なる第三者認証制度である。

水谷IT支援事務所・所長、AllAbout「企業のIT活用」ガイド 水谷哲也
http://allabout.co.jp/career/corporateit/

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この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
《ScanNetSecurity》

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