利用者から見た電子自治体、電子政府(5)〜紙媒体の情報を電子媒体で(インターネットで白書が読めるのは) | ScanNetSecurity
2024.04.27(土)

利用者から見た電子自治体、電子政府(5)〜紙媒体の情報を電子媒体で(インターネットで白書が読めるのは)

●インターネット上で、情報を公開するのは、義務から活用に

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●インターネット上で、情報を公開するのは、義務から活用に

 自治体や政府がインターネット上で従来は紙媒体で提供していた情報を、インターネット上で公開することが増えてきた。その理由は、いくつかある。

 まず「情報公開法( http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/a_06.htm )」で公開が義務付けられている情報がある。情報公開法は、行政情報の公開を義務付け、国民主権のもとで公正で民主的な行政の推進のためにある。ただ、情報公開法は、基本的には、請求されたら公開するという手続きである。したがって、もともとインターネット上に公開しておくわけではないが、自治体、政府情報のインターネット上の情報公開への大きなはずみにはなっている。

 そして、公開請求が当然とされるような情報に関しては、従来から広報などの形で紙媒体を使って、公開してきたわけで、頻度の多い情報に関しては、インターネット上で公開するのが便利である。総務省の文書閲覧窓口利用状況( http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/b_18_2.htm )を見れば、かなり伸びているように見える。もちろん、窓口の増加があるので、やや割り引く必要はあるが、窓口の事務作業は増えているはずだ。請求がある前にインターネット上で情報公開するのがよい情報もあるだろう。そうすれば、窓口の負担も減る。

 また、情報公開法に基づく公文書開示請求に関しては、インターネット上でできると便利であるが、まだあまり行われていない。自治体の例では、三重県が行っているのが知られている( http://www.pref.mie.jp/KOUKAI/tyuigaki.htm )。情報公開が法律上決められているのだから、もう少し積極的にインターネット上で公開してもいいのではないだろうか。


 情報公開は義務であるが、一方、情報を社会的なインフラとして活用するために公開すべきだという文脈の指針が出されている。

「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)( http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020730_4.html )」である。白書の公開は、この中にかかれている。白書のデータベースについては、「白書等データベースの統一的な仕様( http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/c_02.htm )」の記述があり、SGMLでの仕様が定められているようである。ただ、現在では、インターネット上で情報活用するための、XML、RSSなどの技術があり、時期的に仕方が無いとはいえ、やや古い仕様であるのが、残念である。XMLや、RSSを用いると各種白書を横断して検索できる機能の実装がより容易になり便利である。

 また、多くの白書は、独立行政法人国立印刷局で印刷されており、ページに白書の一覧がある( http://www.npb.go.jp/ja/books/whitepaper/list.html )。このリンクは、インターネット上で公開されている白書の情報へは直接リンクされていない。
 例えば交通安全白書は、PDFで公開されている( http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/index-t.html )ので、ここから直接PDFにリンクがはってあれば、便利である。従来、書籍として販売されていた紙媒体の情報をいきなり、PDFというほぼ印刷に同等の形態でインターネット上に公開するのは、国立印刷局としては、抵抗があるのかもしれない。

 紙媒体と同様の情報をインターネット上で公開するのは、どういった意味があるのかは、ビジネスベースで提供されている電子書籍の普及もまだまだ手探りの状態といえる。だから、電子自治体、電子政府のレベルでやや不統一な状況があっても仕方がないだろう。情報公開法で義務付けられた情報は仕方ないが、内部的な調査資料等をインターネットにおしみなく公開するのは、自治体や政府の全体としては、しばらくかかりそうである。


●電子媒体から、紙媒体へ

 白書のように有料で販売している紙媒体を無料でインターネット上、電子媒体(主にPDF)として提供することが増えてきている。例えば、科学雑誌のネイチャーインターフェース( http://www.natureinterface.com/j/ )はPDF(ピーディーエフ)というファイル形式で内容を無料で公開している。

【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
《ScanNetSecurity》

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