【Scan Security Report】ビジネスネットワークはどのように進化してきたか〜NTTPCに聞くネットワークの系譜〜 | ScanNetSecurity
2024.04.27(土)

【Scan Security Report】ビジネスネットワークはどのように進化してきたか〜NTTPCに聞くネットワークの系譜〜

 広帯域接続やさまざまなアクセスラインの登場になどによって多様化する企業ネットワーク。
 本連載では3回に渡り、ビジネスネットワークの動向や提供されるサービス、導入事例などをレポートしていく。
 まずは、設立当初から一貫し、企業ネットワークの安全性/安定

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 広帯域接続やさまざまなアクセスラインの登場になどによって多様化する企業ネットワーク。
 本連載では3回に渡り、ビジネスネットワークの動向や提供されるサービス、導入事例などをレポートしていく。
 まずは、設立当初から一貫し、企業ネットワークの安全性/安定性確保に着目してきたネットワーク・ソリューション・プロバイダ「株式会社NTTPCコミュニケーションズ」に昨今の企業ネットワークの動向と今後の展望について話を伺った。
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>> 自社設備からIP-VPNへ

「ここ数年の、インターネットにおけるブロードバンド化の波は、最近になってビジネスネットワークへも大きな変化をもたらしいます」と語るのは、2001年6月から提供を開始したIP-VPN[1]サービス「CUNets」を担当する遠藤卓課長。

 「1990年代中頃まで、企業内のWAN接続と言えば、専用線やフレームリレーがメイン。リモートアクセスとしては企業が自社内に独自にRAS[2]を構築しているケースが大部分でした。専用線での接続や独自のRAS設備ですが、メンテナンスやコストが非常にかかり拡張も難しい。そこでこれらを解決すべく『VPN』という概念が生まれました。同時に、1994年頃からTCP/IPの標準化の影響を受けて、ビジネスユースでも、IPネットワークが注目されるようになって来ました。これらの要因から、IPをベースにした全国規模のネットワークを、安価かつ容易に構築したいという要望が強くなってきたのです。弊社でも1996年7月には、IPをベースにした広域型のリモートアクセスサービス『NNCS』の提供を開始いたしました。」

 同社では、国内でもかなり早い段階からIPネットワークに着眼し、積極的に企業ネットワークへの導入を行って来た。NNCSは、同社の強みでもある国内最大級のIPバックボーンネットワークを活かし、よりセキュアに安価なリモートアクセスサービスを実現した代表的なソリューションの1つといえる。NNCSを使用すれば、オペレーションやメンテナンスから解放されると共に、大幅なTCOの削減が可能になる。


>> ブロードバンド化する企業ネットワークの変化

「CUNets」は、前述の「NNCS」をブロードバンドに対応させ、2001年6月から提供を開始した新たなサービスだ。「インターネットでは標準になりつつある定額制/常時接続/広帯域接続のニーズが、ビジネスネットワークでも急速に高まっています。特に、NTT東日本・西日本の地域IP網(フレッツ)を足回りに利用したいと考えるユーザは多く、これが可能になればエンド−エンドでの常時接続が可能になります。」「CUNets」では、株式会社アッカ・ネットワークスのADSLを始め、センター回線やクライアントでの広帯域接続に順次対応してきており、2002年2月には業界で初めてIP-VPNでのフレッツ・オフィス対応も実現した。

「実は、企業ユーザのブロードバンドへの対応要望は、初めは常時接続や大容量へのコンテンツを扱うことが主ではありませんでした。先ずは、クライアントの足回りを含めた、通信料を定額にすることに目的があったんですね。それが、クライアント部分の常時接続が可能になることによって、今度は企業ユーザの使い方も変わって来たのです。これまではクライアントからセンターへの一方向通信であったのが、今度はセンター側からクライアントに対してのアクションが可能になります。また、データの扱い方も変わって来ており、従来では夜間などに一括でデータをローカルにダウンロードして利用していましたが、今度は直接センターに随時データを参照しに行くことも可能になります。IP-VPNの利用方法は色々な可能性があります。」

 アクセスラインが多様化しているのは、クライアントを束ねるセンター回線や、無線系のサービスについても同様だと言う。「無線系のサービスについても最近はデータ通信に限った定額制サービスが出始めていますし、センター回線についても、従来は足回りに専用線やフレームリレーを利用するしかありませんでした。それが、広域LANやメガデータネッツなど、安価で高速な回線がさまざまな事業者から出ています。ただ、品質もさまざまなので、今後は信頼性と価格のバランスを、利用目的からユーザが選択していくことになります。もちろん、弊社でも多様化するニーズに応えていきたいと考えています。「CUNets」におきましても、これからさらにサービスの拡充を行っていきます。」と遠藤氏は今後の展望を語ってくれた。

 次回は、多様化するニーズに応えるIP-VPNサービス「CUNets」の詳細についてレポートする。
(なお、次回は「N+I NETWORK Guide」8月号に掲載予定)

NTTPCコミュニケーションズ
http://www.nttpc.co.jp/
CUNets
http://www.cunets.jp/

[1]IP-VPN:Internet ProtocolをベースにしたVirtual Private Networkの略
[2]RAS  :Remote Access Serviceの略。WindowsではPPPとSLIPによって、NetBEUI、NetWare IPX/SPX、TCP/IPなどのプロトコルでリモートアクセスできる

監修/協力 N+I NETWORK Guide編集部
企画/制作 Scan Security Wire編集部

※本記事は、ソフトバンクパブリッシング発行の雑誌「N+I NETWORK Guide」との共同企画であり、5月18日発売の「N+I NETWORK Guide」に掲載されたものです。
《ScanNetSecurity》

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