『コンピュータ犯罪に適用させる法律を整備している国はまだ少数で、多くの国が犯罪に関与したハッカーに対し何ら刑罰を下せずにいる』とする報告書がコンサルティング会社McConnell International社により発表された。今回、調査の対象となったコンピュータ犯罪はデータ窃取および傍受、システム侵入および破壊、ウイルス散布、詐欺行為など10項目に上る犯罪行為で、52ヶ国を対象に質問を行った。 報告書によると、33ヶ国がコンピュータ犯罪を取り締まるための法改正を未だ行っていないと回答し、10ヶ国が約半数のコンピュータ犯罪に適用される法律を制定したと回答した。そして、9ヶ国が調査対象となっているコンピュータ犯罪のうち6つの犯罪に適用されるよう法改正を行ったと回答した。また、10種類全てのコンピュータ犯罪に適用される法律を整備していたのは1ヶ国、フィリピンのみだった。 報告書の作成者Brusce McConnell氏は「物理的な不正侵入や破壊活動を取り締まる現行のテロリズム防止法を“バーチャル”空間におけるテロ行為に適用することは出来ない。最近、電子商取引サイトを狙ったサービス使用不能攻撃などが多数発生しており、コンピュータ犯罪に関する法の整備が急務となっている」と述べた。コンピュータ緊急対応チーム(CERT)によると、今年(2000年)の1月〜9月までに報告されたコンピュータ犯罪件数は前年同期の54%増だった。