独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は6月5日、Microsoft Windows リモートデスクトップのネットワークレベル認証に、Windowsロックスクリーンをバイパスされる問題が存在すると「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムは次の通り。・Windows 10 1803 およびそれ以降・Windows Server 2019 およびそれ以降Microsoftのリモートデスクトップでは、接続時の認証をRDPレイヤではなくネットワークレイヤで行う、ネットワークレベル認証(NLA:Network Level Authentication)をサポートしている。また、Windowsではユーザセッションがロックされると、認証情報の入力を要求するロックスクリーンが表示され、適切な認証情報を入力しないとセッションを継続できない仕組みになっている。しかし、当該システムではNLAを使用したRDPセッションの取り扱いに変更があり、ネットワークの異常によりRDP接続が一時的に切断され、自動的に再接続が行われると、リモートシステムの状態にかかわらず、RDPセッションはロックが解除された状態で復元されてしまう(CVE-2019-9510)。この挙動を悪用し、Windows RDPクライアントに物理的にアクセス可能な攻撃者によって、リモートデスクトップセッションを使用される可能性がある。この脆弱性の発表時点で対策方法は公開されておらず、JVNでは「RDP クライアントシステムへのアクセスを保護する」「RDP セッションの接続を切断する」といったワークアラウンドの実施を検討するよう呼びかけている。