株式会社カスペルスキーと国立大学法人静岡大学は9月27日、シニアのインターネット利用者向け情報セキュリティ啓発教材「ネットの『あやしい』を見きわめよう(シニア編)」の最新版(2023年版)教材一式の無償ダウンロード提供を開始したと発表した。氏名やメールアドレス等の登録は潔く不要となっている。
同教材は、カスペルスキーと教育工学、授業デザインを専門とする静岡大学教育学部 塩田真吾研究室が2018年に共同で開発した教材に、現在身近となっているリスクを新たに加えて更新したもの。消費生活センターや、シニア向け情報セキュリティ啓発講座や勉強会などでの利用を想定している。
教材は基本編と応用編に分かれており、講座を実施する場合には各25分、合計50分を想定している。教材は、指導者が使用する説明用スライド、受講者が使用するカードのプリンター印刷用データ(カードは1組8枚、基本編4枚と応用編4枚、出来上がりははがきサイズ)、ワークシート2種類(メモ欄あり、なし)、カードを置く台紙がセットになっている。
実際の講座はワークショップ形式を想定している。具体的には、講師から講座のセキュリティテーマを説明し、参加者はネットショッピング、ログイン、アプリのインストールなどさまざまなシーンでの「あやしさ」を、カードに描かれている状況をみて判断する。答え合わせをした後で、講師から「あやしさ」を見極めるポイントについて解説を行うという流れとなる。
シニアのセキュリティリテラシー向上を目的としたサイトコンテンツは、警視庁の「高齢者の方へ」など目にすることはあるが、講座や勉強会での使用を前提とした無償提供の教材はほとんど目にしない。議論等のコミュニケーションによって理解はいっそう深まるから、貴重な教材といえそうだ。
なお、カスペルスキーでは印刷済みカードを無償で提供する。期限は年内であるが、提供数には上限がある。詳しくは「ネットの『あやしい』を見きわめよう(シニア編)」サイトを参照のこと。