ちなみに事例主義がもっとも猖獗を極めているのはメディアの報道である。事件や問題が起きると、それが日本全国で起きている、あるいは、その時代や世代に蔓延しているかのような報道になっているような表現をするのは、悪しき事例主義そのものと言える。医療の世界でも同じだ。一定の確率で薬や治療で事故は起きる。しかし事例主義的報道によって、時として薬や治療法そのものへの拒否反応につながる。
疾病地政学とは、相手国に疾病を蔓延させることで混乱と分断を広げることを目的とした実学である。その過程で相手国の国民の多くが疾病で死亡する効果もある。疾病を「兵器」としてとらえ、医療をその「防御」と位置づけ、疾病の蔓延と医療体制の毀損を狙った全領域作戦を実施する。
イーロン・マスクが目指すのは「自由な世界」だ。自由に事業を行い、宇宙を開拓し、人間の脳を改造する。人間の可能性を拡大するのに規制は不要だ。だから世論を操作し、規制の権限を持つ国家を懐柔して同盟関係を結ぶ。多くの民主主義国の企業が規制に苦しむ中、規制を受けない企業は一歩も二歩も先を行くことが出来る。そのために彼は「自由」を大事にする。
アルゴリズムと不滅の音源という特徴のおかげで、TikTok は「潜在的テロリスト覚醒サービス」となった。その影響を大きく受けたのは TikTok をよく利用している 10 代の若者だった。
政府ができていない実効性ある対策はとっくに市民によって行われていた。起きていたのに誰もこれに気づかなかったのはメディアが報道してこなかったことも理由のひとつだろう。こうした市民の活動は、VCDs(Voluntary Collective of Defenders:自発的集団防御)と呼ばれる。VCDs は、2024 年 8 月に英国で起きた暴動でも活躍した。市民たちは、あらかじめ暴徒が現れる場所を特定、共有し、事前にそこに集まって、暴徒たちが騒ぎを起こすのを抑止した。
新聞社は最新の研究成果を世に知らしめる役割も持っているような気がするのだが、現在の新聞は実務者として「偽・誤情報が情報空間に氾濫し脅威となっていること」をせっせと喧伝している。これは検証された事実ではないので、この主張に固執すること自体が陰謀論者に限りなく近い。
株式会社イードは8月21日に、「Scan ランチウェビナー Vol.1 突然発足した新領域安全保障研究所とはなにか?」を開催すると発表した。新領域安全保障研究所、明治大学サイバーセキュリティ研究所との共催となる。
なにがすごいかというと、ほとんど毎日のように更新していることだ。毎日脅威レポートを出すセキュリティ企業なんて見たことないし毎日ゼロデイを報告する企業も見たことない。というかそんなことできない。正気ならば。しかし、驚くべきことに NewsGuard 社はほぼ毎日やっているのである。そしてさらに驚くべきことに、週に 1 回くらいは注意を引くニュースがある。
グーグルや Meta は誤・偽情報にも気を遣っているという姿勢を示したいが、誤・偽情報は大事な収益源でもあるので、ほんとうに効果のあることは何としてもやりたくない。その答えがファクトチェックに関する「研究」への資金助成である。ファクトチェック団体の運営資金の一部はグーグルや Meta が誤・偽情報の流通を通じて得た金なのだ。
いま中露イランは、アメリカと EU が長く独占してきた国際世論のアジェンダセッティングの力をなんとかして手に入れようとしている。
新しい暴力の形としてノン・ステート・ウォーが増えている。ハッキングやデジタル影響工作など新しい攻撃方法が幅広く用いられており、全領域での戦いとなっている。そして、戦闘の担い手の多くは民間企業である。日本も例外ではない。日本は軍事に関しては敏感だがそれ以外は寛容だ。
中でも新しい暴力の形としてノン・ステート・ウォーが増えている。国家によらない暴力。昔からあるテロもそうだが、ハッキングやデジタル影響工作など新しい攻撃方法が幅広く用いられており、全領域での戦いとなっている。そして、戦闘の担い手の多くは民間企業である。過去の軍需産業とは比較にならないほど広範囲の傭兵産業が生まれている。
おもしろいことにいまの時代環境だと、流れにまかせるとだめ連の生き方になるような気がする。社会は、成功のために「運」や「努力」を要求するが、そんなものは役に立たない。20 世紀に社会人になれたラッキーな人にはわからないレベルの運や努力が必要になる。20世紀に社会人になれた世代は、流されても生産性のある生き方ができた。仕事をして子供を育てることに特別な運や特別な努力は必要なかった。
日本の BreakingDown とアメリカの Active Club が異なるのは、Active Club は武装化し、LGBTQ3 や人種別の集会を襲撃し、ひどい時には殺人まで行う点だ。Active Club は RMVEs(Racially or Ethnically Motivated Violent Extremists:人種または民族的動機による暴力的過激主義者)と称されることもある白人至上主義者の組織なのだ。
「AI が人類を滅ぼす」という懸念はビッグテックや AI 研究者自身から出て来ることが多い。こうした議論を横目で見ていて不思議に思うのは、あまりインターネットの情報エコシステムについて触れていないことだ。
例えばクレジットカードの情報が漏れるとか、個人情報が漏れるって言う話だと思うんですけれど、何らかの仕組みで個人情報も使い捨てできるようになるといいんじゃないか、と。
物語の題材としてのサイバーセキュリティというのは結構魅力的。何かから守る、脅威から守る、ということでモチベーションが湧きますし、色んな人が出てきます。
昨2021年をはるかに超えて不確定要素が増す現在、3名の講演とそれに続くディスカッションを、勉強会の講演再録として連載でお届けします。第11回以降は講演者3名によるパネルディスカッションです。
最後に、これから後の、大澤先生と森さんと私で行う、パネルディスカッションのテーマについて、簡単にご説明しておきたいと思います。パネルディスカッションのテーマは「サイバー攻撃の非対称性を無効化する兵器の構想」です。
物語にはルールがあるが、そのルールの全貌や理由を知ることは人間には不可能である。統計的現実と体感的現実というのがありまして、ネットや情報量の拡大により、その乖離が大きくなっているのが現在だと感じています。
ここから先のお話は基本的に、サイバーセキュリティとこれからの未来、つまりSFプロトタイピングとの接点として、私が考えていることです。この後からしばらくアイデアレベルのものを羅列していきます。
『情報セキュリティの敗北史: 脆弱性はどこから来たのか』(アンドリュー・スチュワート、白揚社 2022年10月12日)をご恵投いただいたので読んでみた。実は原題は「 A Vulnerable System: The History of Information Security in the Computer Age 」でだいぶ印象が違う。
1968年に作家のクラークが発表した小説「2001年宇宙の旅」と、同年公開されたキューブリック監督による映画化作品の成功は、その後の人類の宇宙開発に少なからぬ影響を与えました。
内容の密度の高さと先見性に、思わず編集員はそのとき食していた「カップヌードル 濃厚クリーミークラムチャウダー」を食べる箸が止まったということです。
明治大学は7月28日、第2回明治大学サイバーセキュリティ研究所フォーラムを9月20日に開催すると発表した。
我が国では数少ない情報安全保障専門機関 明治大学サイバーセキュリティ研究所
日本を代表するサイバーミステリー作家である一田和樹氏が2021年でデビュー十周年を迎えた。
日本を代表するサイバーミステリー作家である一田和樹氏が2021年でデビュー十周年を迎えた。
日本を代表するサイバーミステリー作家である一田和樹氏が2021年でデビュー十周年を迎えた。
帯には「彼らは核兵器に匹敵する武器を手にしたんです!」とあるが、実際に前年にはStuxnetによるイラン核施設の遠心分離機破壊事件が発生している。理想を夢見る子どもたちが組織化し、強大なサイバーテロを起こすことができる力を得たらどうなるか。
日本を代表するサイバーミステリー作家である一田和樹氏が昨2021年、デビュー十周年を迎えた。
後編では、今春日本で起こったいわゆる「LINE 騒動」を調査テーマとして取り上げ、Twitter の API から取得したデータを無償統計ソフトで解析し分析を行います。
十分な調査も行わず、あおり見出しをつけて、ひたすら新聞などの部数を伸ばすことに専念する逆の意味で見上げた報道姿勢は、かつて「イエロージャーナリズム」と呼ばれました。
今回、評論家・サイバーミステリ作家である一田和樹氏に寄稿していただいたのは、氏が「デジタル権威主義パッケージ」と呼ぶ、主に中華人民共和国が、その影響力を海外に輸出し、その増大と浸透を行う政治社会的ツールの解説です。
現在 2020年11月30日(月)迄の期間限定で、皆様へ感謝の気持ちを込めてサブスクリプションサービス「Scan PREMIUM」を通常価格の半額でご提供しております
民主主義的価値は『超限戦』と相容れないため、捨てることを余儀なくされる。実際、フェイスブックグループはその方向で事業展開しているとしか思えない。
作家・評論家の一田和樹氏に、今年復刊されたサイバーセキュリティ分野の超重要書のレビューを依頼し快諾をいただきました。本稿前編を終戦記念日を目前に控える今週配信します。
神奈川大学アジア研究センターは、「アジアの政治発展」共同研究グループによる公開講演会を同学横浜キャンパスにおいて11月13日に開催する。
北朝鮮、ロシア、中国からのアメリカに対する攻撃と、アメリカの他国への攻撃の双方が描かれ、ハイブリッド戦を挑まれたアメリカが大統領選で完敗した経緯の詳細もわかる。著者はその時期のキイパーソン(トランプにも)に直接取材しており、生々しい話が読める。
リーダビリティも高く、自然に読み進められる。構成もしっかりしている。リアリティのある謎と解決方法で、専門家もそうでない人も楽しめるはずだ。
おそらく民主主義はネット世論操作には対抗できない。前世紀の遺物として滅び、次の新しい政治システムが確立されるまでネット世論操作は猛威を振るうだろう。重要なことは既存のシステムを守ることではなく、新しいシステムを構築することなのだ。
New Knowledge 社のレポートは IRA の基本的な 12 の戦術の解説に多くのページを割いている。それらを順を追って紹介したい。注目すべきは、IRA が行っているのは高度かつ長期間にわたるデジタル・マーケティングだ。
はじめに
>> 本稿の前編にあたる「スパイ代行業者に狙われた権力監視機関シチズンラボ」はこちら
カナダのトロント大学にあるシチズンラボは、これまで国家が国民に対して行うネット上の検閲や監視活動を多数暴いており、政府向けに監視用のスパイウェアを開発、提供してきたサイバー軍需企業の活動も明らかにしてきた。
アメリカは世界有数のサイバー攻撃に弱い国家だ。
同書は、日本ではまだ充分な理解がされていないフェイクニュースを、国家の新しい軍事力行使形態「ハイブリッド戦」をキーワードにして、後半に調査分析し深く読み解いています。
編集部蔵出しの一品として、「サイバーミステリ作家 一田 和樹 vs. セキュリティダークナイト 辻 伸弘の対談取材」を行った際に、一田先生と辻氏両名のサイン入りの「原発サイバートラップ」(単行本) も抽選で 1 名様にプレゼントいたします。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏に、グローバルのインテリジェンス動向に詳しい専門家の視点から、作家 一田和樹氏の小説「原発サイバートラップ: リアンクール・ランデブー」の書評を依頼しました。
図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れである。
前作でもそうだったが、この小説には悪人が登場しない。犯人ですら元から悪人ではなく、救われるべき人間だ。
私が本書を読んでもっとも驚いたのは、予算をつけても国家のサイバー戦能力の向上と維持には、さほど役にたたないという点だ。
2013年3月11日、オバマの国際安全顧問であるThomas Donilon はマンハッタンになるアジア協会でスピーチを行った。大半はお約束の内容だったが、彼はサイバーセキュリティ分野における中国の台頭は最重要課題になったと語った。
1999年3月にMike Hayden (元CIA長官) がNSA長官となった頃からアメリカのサイバー空間重視は本格的になった。それに続くKeith Alexander長官により確立され、アメリカサイバー軍も設立された。
USCYBERCOM (アメリカサイバー軍) 以前のアメリカでは、ほとんどの政治家と官僚に正しい認識がなかったと言っていいだろう。従って USCYBERCOM 以前は、ごく少数の人々による苦闘の歴史だ。
一読して、一過性の技術や教育に対する投資の意味がないことがわかる。正確に言えば、しかるべき組織と指導者、そしてビジョンがなければむやみに技術や教育に投資をしても役には立たないということだ。
リサーチャーとして日々動向をウォッチし、情報を提供している辻伸弘氏と、「サイバーミステリ小説」というカテゴリを切り開いた一田和樹氏。そんな両氏の二度目の対談が実現した。昨今のサイバーセキュリティ動向と、背後にある世界をどのようにとらえているのだろうか。
カナダ在住のサイバーミステリ小説作家 一田和樹氏が11月に来日した際、次回作構想のために面会した国内のセキュリティ専門家との対談の模様の、一田氏本人によるレポートを6回連載でお届けします。
「サイバーテロ 漂流少女」などの、サイバー犯罪をテーマとしたミステリ小説で知られるカナダ在住の小説家 一田和樹氏が5月末に来日し、次回作構想のために、国内の情報セキュリティのプロフェッショナルや、先端研究者6名と、対談を行いました。
報告者が見せてくれた莫大で脆弱なインターネットの姿は、それが容易に「悪意のファネル」と化す可能性を示している。実際、この調査の最中に他のボットが侵入してきたこともあったようだ。
その象徴的な事例がネット選挙運動の禁止である。先進国に類を見ないほどの厳しい制限をしているが、利用自体「無い事」にしてしまっているので、法的責任・処罰などを定めることができず、かえって不正や妨害工作が事実上「野放し」になってしまっている。
オープンガバメントが、単なる多くの人の共感を呼ぶ物語ではなく、社会を動かす、検証可能な概念となるためには、次の3つの脆弱性を解決する必要がある。
昔、インターネットがない頃に、ネットが当たり前のインフラになった時代のことを思い描いたものだった。さまざまな夢のひとつに、ネットで実現される本当の民主主義があった。