2021年SFプロトタイピングの旅 第10回「大成功した西側の概念兵器『民主主義』」 | ScanNetSecurity
2024.04.28(日)

2021年SFプロトタイピングの旅 第10回「大成功した西側の概念兵器『民主主義』」

最後に、これから後の、大澤先生と森さんと私で行う、パネルディスカッションのテーマについて、簡単にご説明しておきたいと思います。パネルディスカッションのテーマは「サイバー攻撃の非対称性を無効化する兵器の構想」です。

研修・セミナー・カンファレンス
2021年SFプロトタイピングの旅 第10回「大成功した西側の概念兵器『民主主義』」

 1968年に作家のクラークが発表した小説「2001年宇宙の旅」と、同年公開されたキューブリック監督による映画化作品の成功は、その後の人類の宇宙開発に少なからぬ影響を与えました。

 空想科学小説(SF)という文学ジャンルの持つ力を借りて、新しい価値観や目標、今までになかった製品やサービスを考える手法は「SFプロトタイピング」と呼ばれており、Intel社の研究機関の未来学者によって提唱され、近年日本でも注目が集まっています。

 SFプロトタイピングは、飛躍や自由な発想が積極的に許容され、その点が、既知のデータをもとにしたシミュレーションや未来予測とは異なっています。

 未知の要素を最大限考慮に入れながら将来やってくる未来を思い描く。これを「将来やってくる未来」ではなく「将来やってくる脅威」に置き換えれば、それはセキュリティ担当者なら多かれ少なかれみんながやっていることではないのか。

 そんな認識のもとで、2021年夏、1名の作家を含む識者3名が集まり、サイバーセキュリティ領域でのSFプロトタイピングの利活用の可能性について考える勉強会を開催しました。3名の講演とディスカッションで構成され、ディスカッションのテーマに設定したのは、サイバー攻撃の非対称性を無効化する兵器を構想すること。

 登壇したのは、著書「SFプロトタイピング: SFからイノベーションを生み出す新戦略」を早川書房から出版(共著)したばかりの、筑波大学の大澤 博隆 先生、そして、SFプロトタイピングを活用した企業コンサルティングの実績を持つアノン株式会社の森 竜太郎 社長。そして、サイバーミステリー作家の一田 和樹 氏の3名です。(註:所属及肩書は当時)

 昨2021年をはるかに超えて不確定要素が増す現在、3名の講演とそれに続くディスカッションを、勉強会の講演再録として連載でお届けします。第10回は作家・評論家の一田和樹氏の最終パートです。

--

 最後に、これから後の、大澤先生と森さんと私で行う、パネルディスカッションのテーマについて、簡単にご説明しておきたいと思います。

 パネルディスカッションのテーマは「サイバー攻撃の非対称性を無効化する兵器の構想」です。

 今回、サイバーセキュリティの専門家以外の方も多くいらっしゃるということなので、サイバーセキュリティにおける非対称性について、まずはご説明したいと思います。


《ScanNetSecurity》

編集部おすすめの記事

特集

研修・セミナー・カンファレンス アクセスランキング

  1. 警察庁・総務省、フィッシングや迷惑メール対策で重要な役割を果たす「官」の役割、具体的な取り組みとは? ~ JPAAWG 5th General Meetingレポート - 2

    警察庁・総務省、フィッシングや迷惑メール対策で重要な役割を果たす「官」の役割、具体的な取り組みとは? ~ JPAAWG 5th General Meetingレポート - 2

  2. 中高生サイバーセキュリティ競技会「CyberSakura」第3回、京都府立嵯峨野高等学校 チーム「HEXAGON」優勝

    中高生サイバーセキュリティ競技会「CyberSakura」第3回、京都府立嵯峨野高等学校 チーム「HEXAGON」優勝

  3. 世界のCIO/CISOが考えた「ニューノーマルに求められるセキュリティ」とは ~ タニウム合同会社 社長 古市 力 氏

    世界のCIO/CISOが考えた「ニューノーマルに求められるセキュリティ」とは ~ タニウム合同会社 社長 古市 力 氏

  4. ビジネス OSINT とは何か? 経営に正しく役立てる方法 ~ 日本ハッカー協会 代表理事 杉浦氏講演

  5. ヤフーとドコモ、「偽メールを止める」と「正しいメールを正しく認知してもらう」の両立を図るための、DMARC、BIMI、そして独自の取り組み ~ JPAAWG 5th General Meetingレポート - 1

  6. サイバー攻撃 はじまりはいつも OSINT ~ 日本ハッカー協会 杉浦氏講演

  7. 公安調査庁「SECURITY SHOW 2024」出展、3/12 にはセミナーも

  8. 国内発が多数を占め増え続けるSMSフィッシング、携帯キャリアの対策は? ~ JPAAWG 5th General Meetingレポート-3

  9. LINEヤフー社 Digital Crime Unit の取り組みほか ~ フィッシング対策セミナー講演資料 5 本公開

  10. 公安調査庁がサイバー攻撃ほかについて講演「法の日フェスタin赤レンガ2023」

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×