2021年7月のGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社-最高品質・最低価格の診断 | ScanNetSecurity
2026.08.21(金)

2021年7月のGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社-最高品質・最低価格の診断

GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社

 サイバーエージェント社の情報システム部門に在籍し、セキュリティ企業に脆弱性診断やペネトレーションテストを発注する側にいた牧田誠は、業務委託先のセキュリティエンジニア達とさまざまなコミュニケーションをする過程で「こんなにもクリエイティブな仕事をする人たちが、仕事の環境や条件などで、本来受けるべき尊敬も待遇も得られていない」ことを発見し、大いに驚き同時に強い憤りを感じたことが重要なきっかけのひとつとなって、2010 年代前半に株式会社イエラエセキュリティが設立された。会社設立の段階からこの会社は他とかなり違っていた。

 尖った人材や偏った人材、たとえ常識や社会人一般の経験に欠けていても「ずば抜けている」セキュリティ技術者の採用を同社は積極的に行い、国内でも有数の技術者集団として成長を続けた。より正しい表現をするなら「採用を行った」というよりは、技術者に対して代表の牧田が払う適切なリスペクトに「自然に人が集まってきた」と言う方が実態をよく表している。そのように「自然に集まった」人材の中には、ひとつの企業の看板となってサービスを背負い支えてきたような人物や、サイバーセキュリティ業界を牽引してきた人物が多く含まれる。

 2022 年、GMOインターネット株式会社が同社株式を取得しグループ入りし、現在の社名であるGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社に改められた。この突然の巨大グループ入りを、言葉を選ばずに書けばあたかも「訃報」のように捉えた業界関係者も少なくなかった訳だが、しかしその後の同社の活躍は、そうした懸念を完璧に裏切ることになる。SOC 事業の開始や、防衛省や自衛隊をはじめとする官公庁へのサービス提供など新領域へ進出し、 ASM サービスなど自社プロダクト開発にも着手、あわせて大規模なセキュリティイベントの開催など、GMO が持つビジネス基盤と社会資本の強力なバックアップを受け、予想の斜め上を行く展開を遂げた。中でも、そもそも強豪チームを擁していた同社の、CTF へのさらなる積極的参戦は特筆すべきものであり、各地で数々の世界一の記録を残し、更新を続けている

 牧田誠はセキュリティ技術者の優れた仕事を「芸術」という言葉で表現する。当誌編集部は取材で何度もこの言葉を耳にしたが、その実体はかなりぼんやりした概念で、今ひとつ理解が困難ではあるものの、例えば、手順書をなぞるだけでは見つからない欠陥を見抜いたり、システムの構成だけでなく全体の設計思想を読みとったり、あるいは凡百の攻撃者を凌駕するほどの独創的な攻撃経路を発見する(実際に同社は国内でも有数のゼロデイ脆弱性の報告を行っている)、こうしたプロセスや成果を牧田誠は「芸術」と呼んでいると思われる。ここでは「技術力が高い」ことよりむしろ「その人にしかできない」点に重心があり、技術者の代替不能性や人間性を称揚する言葉としてもっぱら使われている。優れた診断やペネトレーションテストは「製品ではないのだ」と宣言するかのような言葉である。

 優秀な技術者ほど引く手あまたの現在、求心力のある組織として同社は知られ、2021 年に実施した取材記事で本誌は同社を「エンジニアの楽園」と表現した。技術者に適切な敬意を払う。文字にするとごく常識に見えるこの当たり前を同社ほど本気で組織の原理に据えたセキュリティ企業は意外なほど少ない。

特集

イエラエ CSIRT支援室

    Page 1 of 1
    「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
    「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

    ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 永世名誉編集長 りく)

    ×