ハッカー対策の新法制定に業界が反発(米司法省) | ScanNetSecurity
2024.06.29(土)

ハッカー対策の新法制定に業界が反発(米司法省)

 2月に発生した分散型サービス使用不能(DDOS)攻撃事件を受けて、上下両院
から成る両院協議会は2月29日、コンピュータ犯罪抑制のための新法が必要か
否かを決定するため聴聞会を開いた。
 コンピュータワールドの記事によると、米司法省高官は聴聞会で、速やかな
ハッ

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 2月に発生した分散型サービス使用不能(DDOS)攻撃事件を受けて、上下両院
から成る両院協議会は2月29日、コンピュータ犯罪抑制のための新法が必要か
否かを決定するため聴聞会を開いた。
 コンピュータワールドの記事によると、米司法省高官は聴聞会で、速やかな
ハッカー検挙を目指すには法律の改正が必要だと述べた。さらに司法省はおよ
そ28パーセント増の来年次予算を要求しており、検察官や分析者の雇用とサイ
バー犯罪を捜査する連邦、州、地方警察の捜査能力の向上に充てられる予定
だ。
 2月に発生したDDOS攻撃の損害総額は12億ドルにも上った。しかし政府権限
の拡大を恐れ、業界からは議会の新ハッカー対策に関し批判の声が上がってい
る。
 AP通信によると、マイクロソフト社情報セキュリティ担当責任者Howard
Schmidt氏は「インフラのセキュリティは、政府による管理は適さない」と用
意した声明文を読み上げ、多大な利益を生むビッグ・ビジネスに対し不必要な
介入および干渉を排除すべく議員に警告した。
 一連のDDOS攻撃に遭った殆どの企業やインターネットサービス・プロバイダ
は、数時間内にサイトを復旧させた。シスコ・システムズ社の上級副社長
Charles Giancarlo氏は「企業は今後の同様な攻撃に備えて早急に措置を講
じ、迅速且つ効果的対処が可能なことを示した。我々はインターネット・セキ
ュリティの分野で新しい法律を望んでいない」と用意した声明文を読み上げ
た。
 サイバー犯罪者からインターネット関連企業を守るため、議会はすでに新法
案もしくは改正案の作成を提案している。しかし、そのような議会からの熱心
な要望は、攻撃の痕跡を辿るために使用される監視ネットワークへの懸念を高
める結果となった。
 プライバシー擁護団体、民主主義と技術センターのJames X.Dempsey氏は
「民間企業がセキュリティ対策を強化した場合、その防御性能は政府の比では
ないという事は明白だ。政府がセキュリティを支援する能力には限界がある一
方、政府が害を及ぼす危険性は極めて高い」と指摘した。


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