サイバー犯罪対策のための国際条約が、データプライバシーと人権を踏みにじる「広範な世界的監視協定」になってしまう恐れがある、と、今週(編集部註:2023 年 8 月 第四週)ニューヨークで最新提案をまとめる会合を開いている国連代表団に活動家らが警告した。
2 年以上にわたり交渉が続けられてきた国連のサイバー犯罪条約草案の目的は、オンライン犯罪とは何かを定義し、世界規模で広がりを見せている問題に歯止めをかけるために加盟国がどのように協力していけるかを明確にすることである。
しかし、多くの国々や市民権擁護団体は、この条約(もともとはロシアが提案し、中国、北朝鮮、イラン、ベネズエラ、ニカラグアなどが支持している)が、一見すると国際社会の支持を得たかのように、国境を越えた監視を合法化し、ネット上の言論を犯罪とみなす制度につながってしまうのではないか、という懸念を抱いている。
同条約の第 6 回交渉会議は月曜日にマンハッタンの国連本部で始まり、代表団は 9 月 1 日までかけて草案を検討した。
水曜日の記者会見で、人権及びデジタルプライバシーを擁護する人々は、草案の文言が大幅に変更されない限り、同草案は活動家、ジャーナリスト、社会から疎外された集団(言い換えれば、言論とプライバシーを犯罪とみなす強権的体制のもとで常に犠牲となる人々)への迫害を各国政府に許すものになってしまうだろうと警鐘を鳴らした。