「ねえ、引き受けてよ。あたしは犯罪者じゃないし、古本屋は過去もこれからも違法行為には手を出さない。それでいいでしょ?」
夏神がぐっと身体を乗り出して、オレをにらむ。
「ひとつ確認しておきたい。お前は革命家を自称しているが、具体的な破壊活動をしてはいないよな?」
「……理念として世界同時革命があるけど、実際には考えているだけでなにもしてない。兵隊を組織しているのは来たるべき最終戦争(アルマゲドン)のための準備」
アルマゲドンなんて久しぶりに聞いた。真面目な顔でいうヤツがいるなんて思わなかった。世界同時革命にいたっては、ファンタジーでしかない。