株式会社ラックは1月10日、同社のセキュリティ監視センター「JSOC」によるセキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.14」を公開した。本レポートは、JSOCのセキュリティアナリストによる日々の分析結果に基づき、日本におけるセキュリティインシデントの発生傾向を分析したもの。レポートによると、2016年7月から9月に発生した重要インシデント件数は、インターネットからの攻撃によるものが133件(前四半期は136件)、内部から発生したものが374件(同810件)であった。後者の減少は、全体的にマルウェア感染によるインシデントが減少したためで、特に前回多くの割合を占めていた「DNS Changer」感染によるインシデントが大きく減少したという。またレポートでは、注目のトピックとして「IoT機器の乗っ取りを試みる攻撃の増加」「Cisco社製品のコード実行の脆弱性(CVE-2016-6366)について」「BINDに存在するサービス不能の脆弱性(CVE-2016-2776)について」を取り上げ、被害状況や対策方法を紹介している。IoT機器やネットワーク機器、サーバソフトウェアなどの脆弱性を悪用する攻撃が多発しているため、これらのファームウェアやソフトウェアを最新の状態に維持するとともに、ログインIDとパスワードの管理を呼びかけている。