株式会社ラックは10月31日、同社のセキュリティ監視センター「JSOC」によるセキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.13」を公開した。本レポートは、JSOCのセキュリティアナリストによる日々の分析結果に基づき、日本におけるセキュリティインシデントの発生傾向を分析したもの。レポートによると、2016年4月から6月に発生した重要インシデント件数は、インターネットからの攻撃によるものが136件(前四半期は274件)、内部から発生したものが810件(同654件)であった。前者の減少は1月中旬から2月初旬にかけて多数検知していたSQLインジェクションによるコマンド実行の試みが減ったこと、後者の増加は「DNS Changer」「Ursnif」「Bedep」などのマルウェア感染を多数検知したためだという。またレポートでは、注目のトピックとして「相次ぐApache Struts 2の脆弱性公開」「Ursnifの感染事例の急増」「ランサムウェアへの感染を誘導する不審メールの増加」を取り上げ、被害状況や対策方法を紹介している。Ursnifやランサムウェアは不審なメールにより感染に誘導させるケースが多く、一見して不審を感じる要素が少なくなっており、また不審メールが減少する兆候もないため、今後も注意が必要としている。