>>第 1 回から読む
大島が電話して状況を説明すると、相手の笑い声が漏れ聞こえてきた。オレに仕掛けを見破られたことがそんなにおもしろいのか、それともなにか罠でもあるのか。
「どうぞ」
大島はひととおりの説明を終えると、オレに電話を渡した。
「ごぶさたしております」
声だけですぐにわかった。あいつだ。川原だ。ファミリーアイズ社の事件では煮え湯を飲まされた。仇敵だ。もっとも向こうもオレに煮え湯を飲まされたと思っているかもしれない。痛み分けというヤツだ。
「お前だったのか」
「お前呼ばわりとはひどいですね。私はいつでも工藤さんとお呼びしているのに」
「悪党には、お前で十分だ」
「やれやれ。まあいいでしょう。で、なにを知りたいんですか? おそらく知ったとしてもなにも状況は変化しませんよ」
大島が電話して状況を説明すると、相手の笑い声が漏れ聞こえてきた。オレに仕掛けを見破られたことがそんなにおもしろいのか、それともなにか罠でもあるのか。
「どうぞ」
大島はひととおりの説明を終えると、オレに電話を渡した。
「ごぶさたしております」
声だけですぐにわかった。あいつだ。川原だ。ファミリーアイズ社の事件では煮え湯を飲まされた。仇敵だ。もっとも向こうもオレに煮え湯を飲まされたと思っているかもしれない。痛み分けというヤツだ。
「お前だったのか」
「お前呼ばわりとはひどいですね。私はいつでも工藤さんとお呼びしているのに」
「悪党には、お前で十分だ」
「やれやれ。まあいいでしょう。で、なにを知りたいんですか? おそらく知ったとしてもなにも状況は変化しませんよ」