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2018.10.23(火)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン4 「超可能犯罪」 第20回「実行犯は複数?」

「やらなくていいんじゃないですか」革命的なひとことを発した。 警察、検察、推理小説という存在を根底から覆す提案だ。

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「そりゃあ、でもそうなると、打つ手がなくなるなあ。実行犯が複数だと動機もそれぞれ別々かもしれない。となると、動機から犯人をつきとめるのも無理。他には手がかりもない。一番いやなのは、仮に実行犯を十人捕まえても、まだ他に実行犯がいる可能性が残るってことだよな。たったひとりの実行犯を捕まえて終わりってわけにいかない。エンドレスだ」

「やらなくていいんじゃないですか」

またまた沢近が、革命的なひとことを発した。実行犯を特定しないでいい…警察、検察、推理小説という存在を根底から覆す提案だ。今夜の沢近のセリフは、さえすぎだ。単にオレがぼけてただけかもしれないが。

「だって工藤さんの目的は、真相を明らかにして、再発を防止することでしょう? だったら実行犯なんかわからなくてもいいんですよ。「誰でもできる」状況を作って待っていた人を見つけて、その方法を明らかにすればいいんじゃないですかね」

沢近の言う通りだ。実行犯は偶然に犯行を行ったに違いない。彼らが行わなければ他の誰かが行っただろう。人気の動画がすぐに動画サイトにアップされるのと同じ理屈だ。アップされていなければ、誰かがきっとアップする。計画的ではなく、自然発生的にそうなっているのだ。

ブラック企業の個人情報となれば関心を持つ者も少なくない。誰でも盗める、誰でもアップできる、放流できる状況なら、きっと誰かがやるだろう。そう考えて全体のシナリオを用意し、誰でも簡単に犯罪を行えるような環境を整えていたに違いない。

「なるほどね。でもオレの客は実行犯がわからないと納得してくれないよな、きっと」

《一田和樹》

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