>>第 1 回から読む
「いいんだよ。世の中の事件なんて、冤罪で決着してるのがたくさんあるんだからさ。あんたが犯人だと言ってくれればそれで終わるだろ」
「ええと、それは冗談ですよね?」
「うん、冗談」
とはいえ、他に有効な手がないのも確かだ。まんまとしてやられたとしか言えない。社内の個人情報を内部の人間が漏洩させたなんていうしょぼい事件に、2,000人以上の容疑者を用意した時点で相手の勝ちはほぼ確定だ。警察だってコストパフォーマンスを重視する。金も盗まれていなくて、人も重傷者も死亡者もいない事件に、2,000人以上の容疑者を調べられる体制を敷くわけにはいかない。大赤字もいいところだ。
証拠も容疑者もあがってる。でも多すぎて調べられない。なんてバカな話だ。
だが、他になにか手がかりになるものを見つけなければならない。オレは必死に頭を回転させた。
「いいんだよ。世の中の事件なんて、冤罪で決着してるのがたくさんあるんだからさ。あんたが犯人だと言ってくれればそれで終わるだろ」
「ええと、それは冗談ですよね?」
「うん、冗談」
とはいえ、他に有効な手がないのも確かだ。まんまとしてやられたとしか言えない。社内の個人情報を内部の人間が漏洩させたなんていうしょぼい事件に、2,000人以上の容疑者を用意した時点で相手の勝ちはほぼ確定だ。警察だってコストパフォーマンスを重視する。金も盗まれていなくて、人も重傷者も死亡者もいない事件に、2,000人以上の容疑者を調べられる体制を敷くわけにはいかない。大赤字もいいところだ。
証拠も容疑者もあがってる。でも多すぎて調べられない。なんてバカな話だ。
だが、他になにか手がかりになるものを見つけなければならない。オレは必死に頭を回転させた。