工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第11回「本体DB」 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第11回「本体DB」

「いいか、社内、社外のネットワークを完全に走査する。どんなに厳重に管理しているとこだって、誰からも忘れられた管理されていないなにかがあるものなんだ。サーバ、ルータ、クライアント、ゲートウェイ。なにかがある」

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「あのさ。これデータセンターに置いてあるものしか調べてないよね」

「おっしゃる意味がわかりません。当社の顧客情報システムは、データセンターで運用、管理しています。それ以外にどこを調べるって言うんです」

「社内だよ」

「社内?」

「いいか、ほとんどのとこはそうなんだよ。社内でサーバたてたり、無線LAN勝手に飛ばしたりしてるヤツはいないか? どれほど厳重に管理しているつもりでも、誰からも管理されていないサーバとか装置が必ずあるものなんだ。そこが全体を脆弱にする」

「当社にもそれがあるとおっしゃる」

川崎は不服そうだ。そんなことまでする必要はないと言いたいのを我慢してるっぽい。オレのことを、遠回りして運賃をぼるタクシーと間違えてる。

「いいか、社内、社外のネットワークを完全に走査する。どんなに厳重に管理しているとこだって、誰からも忘れられた管理されていないなにかがあるものなんだ。サーバ、ルータ、クライアント、ゲートウェイ。なにかがある」

オレは自信たっぷりに断言した。正直、全部を走査してなにも出なかったことは1回もない。

「たいした自信ですね」

《一田和樹》

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