ジェムアルト株式会社は3月28日、データ漏えいの深刻度を指標化した「2016年 Breach Level Index」の結果を発表した。この調査は、世界中のデータ漏えい情報を収集し、その要因を考慮して深刻度を数値化したもので、「比較的安全な」データ漏えいと「危険な」データ漏えいを見極めることを目的としている。これによると、2016年は世界で1,792件のデータ漏えいが報告され、漏えいしたデータ件数は前年から86%増加の約14億件となった。これにより、調査を始めた2013年以来、70億件以上のデータが漏えいしたことになり、これは平均して毎日300万件以上、毎秒約44件のデータが漏えいしていることになる。漏えいしたデータの種類では「なりすまし」が59%でもっとも多く、データの漏えい源では「悪意のある外部者」が68%とトップであった。なお、2016年に発生したデータ漏えい事件のうち、52%は漏えいしたデータ件数は報道されていない。調査ではデータ漏えいの深刻度を独自にBLIスコアとして数値化しているが、4億件のデータが漏えいしたAdultFriend Finderへのパスワードリスト攻撃はスコア10を記録している。業種別では、漏えい事件数は医療(493件)、政府機関(269件)、その他(229件)、小売(215件)、金融(214件)となっており、漏えいデータ件数ではその他(5億件)、政府機関(3億9千件)、テクノロジ(3億9千件)、医療(3千5百件)となった。は15%で前年からと前年下半期と同水準であったが、漏えいしたデータ件数は57%を占めている。地域別では、北米(80%)、欧州(9%)、アジア(8%)において多く発生した。