日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は4月7日、「IBM X-Force 脅威に対するインテリジェンス・レポート:2016年(日本語版)」を発表した。同レポートは、IBM X-Forceの活動をまとめたレポートとして、四半期ごとの動向と1年間の動向について記載している。レポートでは2016年のポイントとして、「高価値なデータが侵害される傾向が高まる」「デジタル世界における犯罪組織の台頭」「モバイル・マルウェアの進歩」「マルウェア攻撃が国境を越えて移動」を挙げている。「高価値なデータが侵害される傾向が高まる」では、2015年は医療関連のPII(Personally identifiable information)や高機密データなど、より高価値なデータが侵害されるケースが見られた。2015年はヘルスケア業界における大規模な侵害が5件公表され、合計1億件近くの患者データが流出した。「デジタル世界における犯罪組織の台頭」では、オンライン犯罪の大規模化と精巧化が顕著で、その要因として本格的な犯罪組織によるデジタル犯罪への関与と投資の増加、それによって組織化された作戦の数が増加したことを挙げている。