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2018.12.20(木)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン4 「超可能犯罪」 第12回「もし漏洩しなかったら」

そこまで話して、オレは大事なことを忘れていたのに気がついた。「オレはまだ現場に行ってない。関係者の話も聞いていない。うっかりしてた。変な状況に気を取られて基本を忘れてたぜ」

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「この漏洩の結果、200人の社員の退職、R式サイバーシステム社の信用は落ち業務にも支障が発生、大島の減俸と降格…そんなとこかなあ。やっぱり、この中だと社員の退職をねらったと思うのが妥当だよなあ」

「全ての可能性を検証しないといけないと思います。R式サイバーシステム社の株価が落ちることが事前にわかっていれば、株で儲けられるでしょう」

「小説ならそういうこともあるだろうけど、リアルの株価は思ったようには動かないものなんだよな。確実なのは会社の広報、IR担当はひどい目に遭うってことくらいだ。でも、それが目的なら他に効果的なやり方があるだろう。叩けば炎上する会社だからなあ」

「大島さんの減俸と降格もそんな犯罪の理由にはならないですよね。大島さんをねらうならもっといい方法がありそうですもんね」

沢近は、もう一度首をひねり、それからビールを呑むとオレと同様に腕組みして考え込んだ。

「あれ? でも、もし漏洩しなかったらどうなったんでしょうね?」
《一田和樹》

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