>>第 1 回から読む
「不審なアクセスって全件ダウンロードするとかですよね。ひとりずつの情報をどっかに売っていたのかもしれません。ネットで電話番号や職場、住所を調べる怪しいサービスがあるじゃないですか。ああいうのの隠れた協力者になっていて、頼まれると社員データを検索して、ヒットしたらその人の情報を売るんですよ。これだと、一度に全員のデータをダウンロードするわけじゃないから、目立たないでしょう。というか普通の使い方ですよね」
「ああ、まあそうだな。で?」
「だから、その怪しいアルバイトがばれそうになったんです。サービス業者が摘発されたとかで。まるごと漏洩させちゃえば、逆に犯人を特定できないだろうと考えたのかもしれないです」
「でも、漏洩したのは、過去に依頼を受けたよりも後だから、怪しいサービス業者の過去の受注データを見れば一発で違うってわかるだろ」
「あれ? そういえばそうですね」
沢近は、腕組みして首をひねった。こいつの発想はとっぴなので、参考になることもあるが、今みたいに見当外れになることもある。
「なにかもっと大きな事件を隠すためのものだとか」
「不審なアクセスって全件ダウンロードするとかですよね。ひとりずつの情報をどっかに売っていたのかもしれません。ネットで電話番号や職場、住所を調べる怪しいサービスがあるじゃないですか。ああいうのの隠れた協力者になっていて、頼まれると社員データを検索して、ヒットしたらその人の情報を売るんですよ。これだと、一度に全員のデータをダウンロードするわけじゃないから、目立たないでしょう。というか普通の使い方ですよね」
「ああ、まあそうだな。で?」
「だから、その怪しいアルバイトがばれそうになったんです。サービス業者が摘発されたとかで。まるごと漏洩させちゃえば、逆に犯人を特定できないだろうと考えたのかもしれないです」
「でも、漏洩したのは、過去に依頼を受けたよりも後だから、怪しいサービス業者の過去の受注データを見れば一発で違うってわかるだろ」
「あれ? そういえばそうですね」
沢近は、腕組みして首をひねった。こいつの発想はとっぴなので、参考になることもあるが、今みたいに見当外れになることもある。
「なにかもっと大きな事件を隠すためのものだとか」