工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第27回「物理破損」 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2018.08.20(月)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第27回「物理破損」

特集 フィクション

>>第 1 回から読む

会議室に入ると川崎が待っていた。椅子に腰掛けながら、オレは宣言した。

「オレは確信した。データは本体DBから盗まれた。そして犯人は、ここにいる。内部犯行だ」

川崎の顔色がすっと青くなった。商売がら青い顔のヤツはたくさん見ているが、川崎の青くなる速度はなかなかのものだった。ベスト5に入る。もしかしたら、トップをとれるかもしれない。

「なにを言うんです。本体DBから漏洩していないという証拠があるじゃないですか」

「うん、まあそうだよな。でも違うんだ。これはフェイクだ」

「なんですって?」

川崎のうろたえる顔を見て、オレは少しいい気分になった。クライアントを困らせて喜ぶのは、よくないことだとわかっていたが仕方がない。人間なんだ。好き嫌いはある。嫌いなタイプで、その上N電気出身者ときたら、うんこカレーみたいなもんだ。どうやっても好きになれるわけがない。うんこカレーがどんなものか食べたことはないけどさ。

「川崎さん、あんた大事なことをオレに言わなかったろ。もっともあんたはそれが大事だなんて気づかなかったんだろうけどさ」

「…なんのことです?」

《一田和樹》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×