工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第26回「犯人」 | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン3 「エリカとマギー」 第26回「犯人」

発生した事象を全体を時系列に並べて書いていた時、頭の霧が晴れた。オレは完全に勘違いしていた。犯人がデータの公表を遅らせた理由がわかった。あやうくはめられるところだった。

特集 フィクション
>>第 1 回から読む

夜遅くなってから事務所に戻り、買ってきた弁当をぼそぼそ食いながらもう一度頭を整理した。ほとんどのシナリオは読めた。だが、まだわからないことがある。

発生した事象を全体を時系列に並べて書いていた時、頭の霧が晴れた。オレは完全に勘違いしていた。犯人がデータの公表を遅らせた理由がわかった。あやうくはめられるところだった。

おそらく犯人は数ヶ月経てば広告代理店のサーバログが廃棄されることを知っていたんだ。もちろん、犯人はキャンペーン用のサーバをクラッキングなんかしていないし、データを盗んでもいない。でも、ログを消さなければならない理由があった。犯人がキャンペーン用サーバではなく、本体サーバをクラックしたことはほぼ間違いない。

問題は、どうやってクラックしたかだ。

・ログに異常はない

・アクセスに当たっては、IDだけでなくアクセス元(どの座席からアクセスしている)の確認も行われている。こちらも異常はない

・外注向けの共用PCにも異常ログはない

《一田和樹》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×