>>第 1 回から読む
「これは悪魔なの。ほんとうのことではないの。こんな下品なサルに、わたくしが愚弄されるなんてありえません」
沢近は頑なにドレスを脱ごうとせず、ずっっとお姫さま気分でしゃべり続けていた。
オレもそれなりに女性経験はあるのだが、最中に普通の口調でしゃべり続ける相手は初めてだ。沢近はしている間、なにかをしゃべっている。「遠野物語」を朗読してたこともある。
「気持ちよくないの?」
「気持ちいいです。でなければ、しませんよ」
「じゃあ、なんで集中しないの?」
「だって好きなことは、一緒にした方がいいんです。本読みながら音楽聞いたり、ゲームしながらご飯食べたりするのと同じです」
絶対に違う、と思ったが、言っても無駄そうなのでやめた。最悪だったのは、明日職場でカラオケ大会があるからと、水木一郎のアニソンメドレーを歌い始めた時だ。あれに比べれば、お姫さまごっこは天国だ。
こういう食い違いがあるにも関わらず、こいつと長く続いているのは、身体の相性というヤツだろう。その後、ホテルを出て駅までの道々、沢近はオレにぐだぐだ復讐の言葉を投げつけ続けた。理不尽な陵辱にあったお姫さまとしては当然のことなだろう。聞かされるこっちは閉口する。
「貴様の陰茎を犬に食わせてやる」
「尻の穴を広げて、スイカをいれてやる」
「宇宙戦艦ヤマトの入れ墨を全身にいれてやる」
「これは悪魔なの。ほんとうのことではないの。こんな下品なサルに、わたくしが愚弄されるなんてありえません」
沢近は頑なにドレスを脱ごうとせず、ずっっとお姫さま気分でしゃべり続けていた。
オレもそれなりに女性経験はあるのだが、最中に普通の口調でしゃべり続ける相手は初めてだ。沢近はしている間、なにかをしゃべっている。「遠野物語」を朗読してたこともある。
「気持ちよくないの?」
「気持ちいいです。でなければ、しませんよ」
「じゃあ、なんで集中しないの?」
「だって好きなことは、一緒にした方がいいんです。本読みながら音楽聞いたり、ゲームしながらご飯食べたりするのと同じです」
絶対に違う、と思ったが、言っても無駄そうなのでやめた。最悪だったのは、明日職場でカラオケ大会があるからと、水木一郎のアニソンメドレーを歌い始めた時だ。あれに比べれば、お姫さまごっこは天国だ。
こういう食い違いがあるにも関わらず、こいつと長く続いているのは、身体の相性というヤツだろう。その後、ホテルを出て駅までの道々、沢近はオレにぐだぐだ復讐の言葉を投げつけ続けた。理不尽な陵辱にあったお姫さまとしては当然のことなだろう。聞かされるこっちは閉口する。
「貴様の陰茎を犬に食わせてやる」
「尻の穴を広げて、スイカをいれてやる」
「宇宙戦艦ヤマトの入れ墨を全身にいれてやる」