株式会社シマンテックは1月31日、拡張子「.htm」のHTMLファイルが添付された悪質なメールによる攻撃が増えているとブログで発表している。多くのマルウェアでは、メールに「.zip」や「.rar」などの拡張子を持つ圧縮ファイルが添付されるが、同社が確認している攻撃では「.htm」が添付され、不明瞭化されたJavaScriptがそのファイルのコードに埋め込まれている。JavaScriptはマルウェアを仕込んだサイトにブラウザをリダイレクトさせることを目的としている。このサイトはロシアに置かれており、トロイの木馬「Trojan.Pidief」および「Trojan.Swifi」が仕掛けられている。HTMLファイルに悪質なJavaScriptをインジェクトすると、ブラウザやプラグインの脆弱性を悪用して任意のコードを実行したり、偽のウイルス対策スキャンなど虚偽の情報を表示する。あるいは、JavaScript、HTMLなど他のファイルをダウンロードする、ブラウザセッションを乗っ取る、ユーザを悪質なWebサイトに誘導する、情報を盗み出すといったことが可能になる。同社では、メールやインスタントメッセージにある疑わしいリンクをクリックしない、開くときはブラウザにURLを直接入力するなどの対策を掲載している。