声だけですぐにわかった。あいつだ。以前の事件では煮え湯を飲まされた。仇敵だ。もっとも向こうもオレに煮え湯を飲まされたと思っているかもしれない。痛み分けというヤツだ。
「待て! 相手はオレのことを知っているのか? いや、そもそも何者なんだ?」
「そりゃ、こういうことがあるからだよ。オレだってちょっとは修羅場を踏んできてるんだ。関係者が一番ヤバイってわかってる。」
まだばれていないと思っているんだろう。残念なことにオレは、豊かな想像力の持ち主じゃない。こいつがなにをしたかわかる決定的な情報を得て全貌を理解しただけだ。
ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)