独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は4月19日、「ITサプライチェーンにおける情報セキュリティの責任範囲に関する調査」の結果を発表した。ITサプライチェーンでは、標的型攻撃などのインシデントが発生した場合、関係する複数組織への被害拡大の懸念、および原因究明の難しさが指摘されている。そこでIPAでは、2017年度に委託元、委託先間の情報セキュリティ上の責任範囲について調査を行い、責任範囲が不明確であることが明らかになった。今回の調査は、その原因を明らかにし、解決策を導き出すために実施したもの。調査結果によると、委託元が文書で明確にしているセキュリティに係る要求事項において、「インシデントが発生した場合の対応」が明記されていると回答したのは37.1%、「新たな脅威(脆弱性等)が顕在化した場合の情報共有・対応」では20.1%にとどまり、責任範囲の明記がないケースが多かった。また、委託元が責任範囲を明確に出来ない理由では、「専門知識・スキルが不足している」が79.6%でもっとも多かった。このほか、IT業務委託契約時に責任範囲を記述している文書は「契約書」が最多で、責任範囲を明確にするには「契約関連文書の雛形の見直し」がもっとも有効とする回答が多かった。