株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月31日、「wizSafe Security Signal 2018年7月 観測レポート」を発表した。全体的な傾向は6月と比べて目立った違いはなかったが、受信メールにおけるマルウェア添付の検知傾向には変動が見受けられた。DDoS攻撃は1日あたり20.68件を観測しており、もっとも大規模な攻撃は25.24Gbpsであった。DDoS攻撃の回数は前月と大きく変わっておらず、また攻撃の継続時間は短いものが増えている。DDoS攻撃以外のインターネットからの攻撃では、NetisおよびNetcore社製ルータの脆弱性を狙った攻撃が、IPS/IDSにおいて観測した攻撃全体の約8割を占めた。Webアクセス時に検出したマルウェアでは、前月に引き続き「Trojan.JS.Agent」が全体の過半数を占めた。「Trojan.JS.Miner」は前月よりも検出割合が低下しているが、検知数は増加している。メール受信時に検出したマルウェアでは、「Trojan-Downloader.MSOfiice.Sliqy」を多く検出した。添付ファイルの拡張子は「.iqy」で、Excelの機能を悪用してインターネット上のサイトからマルウェアをダウンロードさせようと試みる。インシデントトピックには、「国内運送業者を騙る不審なSMSの拡散」「Google Chromeの更新によるHTTP接続時の表記変更」「公衆無線LANサービスの利便性とリスク」を挙げ、それぞれ詳しく解説している。