岡田氏:SIerやセキュリティベンダの活動は、あくまで製品やソリューションに紐づいており、それらを販売することがゴールとなりますから、クライアントの立場で中立的に考えることは少なく、また難しいと思います。コンサルティングでは、しがらみがなく様々な製品やソリューションを対象として検討することができますから、クライアントの環境にどのようなリスクや脅威があって、それに対応できる最適な製品やソリューションを客観的なスタンスで提案できます。そのためには、製品やソリューションごとのメリットおよびデメリットを説明できる必要があります。ただし、これは入社してからでも経験を積むことが可能です。また、技術的なバックボーンが必要ですが、たとえ狭い範囲の技術であっても、入社後に専門領域を広げていけばよいですし、専門性があること自体が貴重な戦力となります。常日頃から技術的な裏付けのある思考や言動を心掛けることが、コンサルタントにとって一番重要なことであると考えています。森島氏:SIerやセキュリティベンダは、ある時点でのクライアントのニーズを切り取ってそれを充足していく、というお仕事です。今目の前にある課題を解決する、それはもちろん非常に大切です。一方、クライアントの事業はその後も続いていくわけですから、世の中の変化やクライアントの変化によって、ニーズや課題は絶えず変化していきます。我々はそういったニーズや課題の変化に寄り添い、あるいはクライアントがニーズや課題の変化に対応し続けることができるようにサポートしていくお仕事です。中長期的な視点で経営者の立場から事業全体、業務全体のライフサイクルを考えて、そこに自分たちがどのようにお役にたてるのか、そうした大きな視点で見ることに抵抗がない、あるいは興味がある人は向いていると思います。●世界中のEYではナレッジもヒューマンリソースも完全共有――トレーニングに関連して話題に上りましたが、EYでは様々なことがグローバルとスムーズに連携しているように感じられます。この点について具体的にお話いただけますか?