データロスやダウンタイムによる損失コスト、国際平均と日本を比較(EMCジャパン) | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

データロスやダウンタイムによる損失コスト、国際平均と日本を比較(EMCジャパン)

EMCジャパンは、世界のデータ保護に関する最新調査「EMC Global Data Protection Index 2016」の結果および、破壊的なサイバー攻撃から重要なデータの保護を支援するソリューション「Isolated Recovery Solutions」の提供開始を発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
EMCジャパン株式会社は7月22日、世界のデータ保護に関する最新調査「EMC Global Data Protection Index 2016」の結果を発表した。同調査は2016年3~4月、従業員数250名以上の企業および公的組織のIT部門の意思決定権者を対象に、Vanson Bourne社により実施したもの。合計数は世界18カ国、2,200名。

同社DPS事業本部の本部長である今井浩氏は、調査結果を総括し、従来の脅威・課題に対するデータ保護対応に関しては、対策がより進歩している。しかしその反面、総合指標(成熟度曲線、平均損失額)に大きな変動傾向は見られないとし、その理由に新たな脅威・課題への対応の遅れや、もたらされた損失が進歩を打ち消していることを挙げた。

同社DPS事業本部 事業推進部のシニア ビジネス ディベロップメント マネージャーである西頼大樹氏は、調査について説明。調査結果から成熟度インデックス(指標)を算出し、成熟度指標に合わせて「LAGGARDS(遅れている)」「EVALUATORS(評価段階)」「ADOPTERS(導入済み)」「LEADERS(先進的)」の4カテゴリに定義している。その結果、LEADERSに該当する日本企業はゼロ、ADOPTERSが1%となり、その割合は18カ国中17位だった。

損失額については、予期せぬダウンタイムによる日本の平均損失額は約5,040万円、平均ダウンタイムは19時間であり、データロスによる平均損失額は約1億4,180万円、平均損失データ量は約3.3TBであった。グローバルの平均は、それぞれ約5,900万円、22時間、約9,700万円、2.36TBとなった。

原因については、1位が「ハードウェア障害」であるのは前回と同様だが、その割合は40%から63%へと増加している。また、前回4位であった「ソフトウェアエラー」が2位に上がり、「外部からの侵入・セキュリティ侵害」「内部からの侵入・セキュリティ侵害」がともに16%で5位、6位にランキングしている。

同社システムズ エンジニアリング本部 プロダクト ソリューション統括部 データ プロテクション ソリューション部のシニア マネージャーである神近孝之氏は、サイバー攻撃がデータに及ぼす影響について解説、データが消去された例やランサムウェアによるデータ暗号化による“身代金”を支払った例などを紹介した。FBIは「マルウェアにより失われたデータの復旧は極めて困難でコストがかかる」とのレポートを発表し、FFIEC(米国連邦金融機関検査協議会)は「サイバー攻撃中に重要なデータにアクセスされないよう、インフラ間に“エアギャップ”を作成する」ことを提案している。

神近氏は、データを保護するためには多層化されたサイバーセキュリティが必要であるとし、それは従来型データ保護のベストプラクティスに加え、さらなる強化および保護機能、高度な保護サービスの構成であるとした。また、重要なデータにアクセス可能な人(権限)およびデータそのものを、悪意ある「破壊」「改ざん」「拘束(暗号化)」から隔離する仕組みを追加実装することで、重要なデータが確実に復旧できる仕組みを担保することが可能であるとした。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×