筆者滞在期間中に開催された政府主催の IT イベント「Infotech」のオープニングレセプションの一発目のキーノートスピーチで、仏系キャリアであるオレンジ社のスピーカーによる、サイバーセキュリティに関する講演が行われ、官民一体となってモーリシャスに IT 産業の誘致と育成を行っていくこと、そして、投資対象の差別化要因として、セキュリティを最も重要なセールスポイントのひとつすることが謳われていました。
アフリカでは、電話回線のないところに携帯の基地局が出来たり、国別の CSIRT が出来る前に地域サートが成立して各国の CSIRT 設立を支援するのと同様、まだ世界 GDP ランキング 126 位の国だからこそ、IT 産業が普及してからセキュリティを後から手当するのではなく、その前にセキュリティを考えることができるのは確かに大きなアドバンテージになりうるだとうと思いました。ここでも順番を逆にすることができるのです。
●インド洋のシンガポールに
モーリシャスのナショナルサート CERT-MU の Dr.Kaleem Usmani 氏は Scan のインタビューに応じ、同国は今後シンガポールをモデルにして、アフリカの ICT のハブとなって、モーリシャス発の IT サービス、マリン IT(船舶や港湾関連産業の IT ソリューションのこと)、サイバーセキュリティサービスをグローバルに販売していくことを目標としており、そのための当面の課題として、ヒューマンリソース、特にマルウェア解析技術者の枯渇を挙げました。