工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン5 「ワンタイムアタッカー」 第17回「5万ドルの意味」 | ScanNetSecurity
2020.01.28(火)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン5 「ワンタイムアタッカー」 第17回「5万ドルの意味」

真田は、全く悪びれる様子を見せずに言った。この男は、ほんとに空気を読まない天才だと工藤は思った。

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「……そうです。工藤さんは、その金額の意味がわかっているんですね」

「ああ、この手の金持ち向けの銀行は、ていねいなサービスと安全が売りだ。不審な取引や多額の取引の時には、必ずいったん保留にして電話かなにかで確認してくる。電話確認されたら、その時点でアウトだ。五万ドルってのは、電話で確認されない金額なんだろう」

「そうです。電話がかかってくるのは私宛なので、私ならもっと多額の取引もできるんです。その点からも意味がありません。いいことに気づいてくれました。おおよそですが、チェックなしで送金可能できるのは、百万ドルまでです」

山内が言うと、工藤は、うなずいた。

「いずれにしても、口座にアクセスできるようになれば、送金先がわかって犯人もおのずとあきらかになるわけですね」

片山が言うと、山内は首を振った。

「偽名あるいはナンバー口座という可能性もあります」

「ナンバー口座?」

《一田和樹》

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