>>第 1 回から読む
「……そうです。工藤さんは、その金額の意味がわかっているんですね」
「ああ、この手の金持ち向けの銀行は、ていねいなサービスと安全が売りだ。不審な取引や多額の取引の時には、必ずいったん保留にして電話かなにかで確認してくる。電話確認されたら、その時点でアウトだ。五万ドルってのは、電話で確認されない金額なんだろう」
「そうです。電話がかかってくるのは私宛なので、私ならもっと多額の取引もできるんです。その点からも意味がありません。いいことに気づいてくれました。おおよそですが、チェックなしで送金可能できるのは、百万ドルまでです」
山内が言うと、工藤は、うなずいた。
「いずれにしても、口座にアクセスできるようになれば、送金先がわかって犯人もおのずとあきらかになるわけですね」
片山が言うと、山内は首を振った。
「偽名あるいはナンバー口座という可能性もあります」
「ナンバー口座?」
「……そうです。工藤さんは、その金額の意味がわかっているんですね」
「ああ、この手の金持ち向けの銀行は、ていねいなサービスと安全が売りだ。不審な取引や多額の取引の時には、必ずいったん保留にして電話かなにかで確認してくる。電話確認されたら、その時点でアウトだ。五万ドルってのは、電話で確認されない金額なんだろう」
「そうです。電話がかかってくるのは私宛なので、私ならもっと多額の取引もできるんです。その点からも意味がありません。いいことに気づいてくれました。おおよそですが、チェックなしで送金可能できるのは、百万ドルまでです」
山内が言うと、工藤は、うなずいた。
「いずれにしても、口座にアクセスできるようになれば、送金先がわかって犯人もおのずとあきらかになるわけですね」
片山が言うと、山内は首を振った。
「偽名あるいはナンバー口座という可能性もあります」
「ナンバー口座?」